独活寄生湯(どっかつきせいとう)

組成

独活(どっかつ)・桑寄生(そうきせい)・杜仲(とちゅう)・牛膝(ごしつ)細辛(さいしん)秦艽(じんぎょう)・茯苓(ぶくりょう)・肉桂(にっけい)・防風(ぼうふう)・川芎(せんきゅう)・人参(にんじん)・甘草(かんぞう)・当帰(とうき)・白芍(びゃくしゃく)・生地黄(しょうじおう)

効果

疲れやすく、下肢が冷えやすいものの次の諸症:
腰痛、関節痛、下肢のしびれ・痛み

効能

祛風湿・止痺痛・益肝腎・補気血

主治

痺証日久・肝腎不足・気血両虚:
腰や膝が冷えて痛む・下肢がだるく無力・関節が屈伸しにくい・しびれや知覚まひ・寒冷をきらい温暖をこのむなど

方意

独活寄生湯は筋力の低下があり、外気(寒気・湿気)による冷えや血行不良に伴って痛みやしびれが現れる場合に用いる処方です。一般には、高齢者や虚弱者の腰痛によく用いられます。また、激しいスポーツで腰痛を起こす一時的な虚証にもよいです。

正気が虚し邪が深伏しているので、祛風湿・止痺痛するとともに益肝腎・補気血を行い、扶正によって病気の原因を追い払います。

主薬は独活で、下焦と筋骨の間の風寒湿邪を除きます。桑寄生・杜仲・牛膝は筋骨を強め、筋力低下を改善します。独活・防風・秦艽・細辛・肉桂は外気の影響を和らげます。当帰・白芍・生地黄・川芎は四物湯(しもつとう)の構成生薬であり、血を補い血流を改善します。人参・茯苓・甘草は胃腸を補い、エネルギーを増やして寒暖差に負けない身体づくりを助けます。細辛や肉桂をはじめ、構成生薬の多くが温性なので、寒気や湿気で起きる関節・筋肉・骨などの疼痛全般に用いられます。

冬に使われるイメージのある独活寄生湯ですが、夏場でも冷房や冷たい飲食物などにより身体を冷やしすぎてしまった場合にも適応になります。

疼痛がつよければ、烏頭(うず)・白花蛇(びゃっかだ)・地竜(じりゅう)紅花(こうか)などを加えて捜風通絡・活血止痛します。寒が明らかなら附子(ぶし)を、湿が重ければ防已(ぼうい)を加えます。正虚が顕著でなければ、地黄・人参などは減量します。

類方鑑別

疎経活血湯(そけいかっけつとう)
体力があり元気なタイプで、特に瘀血を原因とした刺すような傷みがみられます。

八味地黄丸(はちみじおうがん)
高齢者や虚弱者で、下半身が冷えて腰痛及び下肢痛を訴える方に用います。

五積散(ごしゃくさん)
上半身に熱感があり、下半身が冷えるタイプに用います。体内の循環が悪く、腰・股・下腹部に痛みがあります。

十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
全身の衰弱が甚だしく、貧血・皮膚の乾燥があります。熱症状はありません。

参考文献

編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)

※ この漢方薬は桃華堂では取り扱いのない商品です。

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