桑白皮(そうはくひ)
基原
クワ科MoraceaeのマグワMorus alba L.のコルク層を除去した根皮
性味
甘、寒
帰経
肺
効能・効果
①瀉肺平喘
②利水消腫
主な漢方薬
清肺湯(せいはいとう)
五虎湯(ごことう)
杏蘇散(きょうそさん)
特徴
マグワは中国北部から朝鮮半島にかけての原産植物で、落葉性の高木または低木です。日本へは古代に渡来したと考えられています。カイコの飼料として重要な作物であり、養蚕のために広く栽培されていました。現在では、かつて盛んだった養蚕の名残で、放置されて野生化したものが土手や畑のわきなどでも見られます。クワの名の由来は、カイコの「食う葉」が縮まったとも、「蚕葉(こは)」の読みが転訛したともいわれています。
ヤマグワは日本の山野に自生しているクワの野生品です。ヤマグワの名前の由来は、養蚕に使われるマグワに対して山野に自生するクワという意味で名付けられました。マグワとは葉の形態などに違いがあり区別することができていましたが、現在ではマグワとヤマグワの雑種が増えており鑑別は難しくなっています。かつての日本ではヤマグワも桑白皮として使用されていましたが、現在ではマグワに限定されています。
マグワの若枝は桑枝(そうし)、葉は桑葉(そうよう)、成熟した果実は桑椹(そうじん)という生薬になります。それぞれ清熱に働きますが、桑白皮は肺に入り、下降の性質をもって肺中の火や痰水を除きます。桑葉は軽くて上昇の性質をもち、肺・肝の風熱を疏散します。桑枝は経絡に入り、祛風湿・利関節に働きます。
民間療法として、尿量が減少しているときにクワの根を煎じて服用します。他にもクワの根・葉を高血圧症の予防に、果実を疲労回復に薬用酒としていました。中国では糖尿病の初期に使用しています。
「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」の中品に分類され、「桑根白皮(そうこんはくひ)」の名前で収載されています。皮が薄く、色は白色~淡黄色に近いものが良品とされ、晒して調製した灰白色のものは劣るとされています。
咳を止める止咳平喘薬(しがいへいぜんやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に桔梗(ききょう)、款冬花(かんとうか)、白前(びゃくぜん)、杏仁(きょうにん)、旋覆花(せんぷくか)、枇杷葉(びわよう)、蘇子(そし)があります。
肺熱の咳嗽・呼吸困難・呼吸促迫などに地骨皮(じこっぴ)や黄芩(おうごん)などと一緒に用いられます。代表的な漢方薬に五虎湯(ごことう)があります。
肺気壅実の浮腫・尿量減少に用いられます。代表的な漢方薬に、五加皮(ごかひ)や杏仁と一緒に配合された五皮飲(ごひいん)があります。
生用すると利水に、炙用すると平喘止咳に働きます。
性寒で善降なので、肺寒咳嗽・肺虚無火・小便自利には使用しません。
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