ST34. 梁丘(りょうきゅう)
所属する経脈
足の陽明胃経(ようめい いけい)
名前の由来
梁丘(りょうきゅう)の『梁』は「山梁(山間のきざはし)」、『丘』は「丘陵」のように小高く盛り上がったところを意味しています。
このツボは大腿前面の筋が盛り上がったところに位置し、その部位を山梁に例えたことから梁丘と名付けられました。
要穴
① 胃経の郄穴(げきけつ)
郄穴の『郄』は筋肉や骨の「すきま」という意味で、気血が盛んに集まるところです。
急性の病があるときには郄穴に反応が現れ、その治療に用いられます。
位置
大腿前外側、外側広筋と大腿直筋腱外縁の間、膝蓋骨底の上方2寸。
鼠径部の外側に、上前腸骨棘という骨の出っ張りがあります。
その骨の出っ張りと、膝蓋骨(ヒザの皿)の上部外端を結んだ線上、ヒザ側から上に2寸(手の人差し指~薬指の横幅3本分の長さ)上がったところに梁丘はあります。
膝蓋骨の上部外端と上前腸骨棘を結ぶ線上には梁丘以外にもツボがいくつか存在していて、上前腸骨棘のすぐ下に髀関(ひかん)、梁丘の4寸上に伏兎(ふくと)、梁丘の1寸上に陰市(いんし)があります。
主治・効能
整形外科領域の症状
腰や膝の腫れ・痛み、下肢の麻痺、屈伸困難
主に、足の陽明胃経の走行部位と関係のある症状に対して用いられます。
消化器系の症状
腹痛、胃痛、胃けいれん、下痢
足の陽明胃経に所属することから、消化器系の症状にも効果があります。
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 大腿直筋腱と外側広筋の間 → 中間広筋腱の外側
関係する筋肉
- 大腿直筋
- 外側広筋
- 中間広筋
関係する動脈・静脈
- 外側大腿回旋動脈・静脈
関係する神経
- 大腿神経
- 外側大腿皮神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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