牛膝(ごしつ)
基原
ヒユ科Amaranthaceaeのイノコズチ属植物Achyranthes bidentata Blumeあるいは同科のCyathula officinalis Kuanの根。前者を壊牛膝、後者を川牛膝と称する
性味
苦・酸、平
帰経
肝・腎
効能・効果
①活血祛瘀
②舒筋利痺
③補肝腎・強筋骨
④利水通淋
⑤引血下行
主な漢方薬
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
独活寄生湯(どっかつきせいとう)
大防風湯(だいぼうふうとう)
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
折衝飲(せっしょういん)
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
特徴
イノコズチは北海道を除く日本の本州、四国、九州に分布しており、空き地の片隅や林内の道のわきなどでよく見られる多年草です。イノコズチの種は緑色で細くて先の尖った形をしており、夏から秋にかけて里山を歩くと、このイノコズチの細かい果実(タネ)が衣服にくっついてきます。
葉の付いた節の部分がしばしば牛の膝のように膨れていることから、「牛膝」という名前が付けられました。和名のイノコズチの由来は、膨らんだ部分が猪子の膝のように見えることから、これを槌に見立ててこの名前がつけられました。この膨れた部分は虫こぶで、イノコズチウロコタマバエの幼虫が住んでいます。
日本ではヒナタイノコズチの根が用いられています。イノコズチよりも明るい場所に生えることが名前の由来です。日本にはヒカゲイノコズチというよく似た種がありますが、こちらは薬用ではありません。
Achyranthes属由来のものを「壊牛膝」chyranthes 属由来のものを「川牛膝」として区別しています。壊牛膝は補肝腎・強筋骨に優れ、川牛膝は活血化瘀に優れています。ヒナタイノコズチはAchyranthes属であり、日本薬局方に適合するのも壊牛膝の方です。中国では両者がほぼ同じように使用されていますが、日本では川牛膝は流通しておらず、壊牛膝の方が正品とされています。
「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」の上品に収録されています。滋補の効力が牛の力の如く強いことから、「百倍」という別名があります。
瘀血(おけつ:血流が悪い状態)を改善する活血化瘀薬(かっけつかおやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に川芎(せんきゅう)、延胡索(えんごさく)、蘇木(そぼく)、降香(こうこう)、丹参(たんじん)、桃仁(とうにん)、紅花(こうか)、鬱金(うこん)、水蛭(すいてつ)などがあります。
血瘀による月経痛・月経周期延長・無月経などに用いられます。代表的な漢方薬に当帰(とうき)・桃仁などと一緒に配合された折衝飲(せっしょういん)があります。
下肢の関節痛・しびれ・熱感・腫脹などに用いられます。代表的な漢方薬に蒼朮(そうじゅつ)と一緒に配合された疎経活血湯(そけいかっけつとう)や独活寄生湯(どっかつきせいとう)があります。
他にも、尿路の炎症性疾患・排尿時の熱感疼痛・血尿・陰茎の痛み・腰痛・頭痛・めまいなどにも用いられます。
「諸薬を引き下行す」といわれ、下行の引経薬としてもよく用いられます。
生用すると活血祛瘀・引血下行に、酒製すると補肝腎にそれぞれ強く働きます。
牛膝は宣導下行の効能が主体であり、補益肝腎の力は続断(ぞくだん)・杜仲(とちゅう)などに劣ります。
脾虚の泄瀉・夢精滑精・月経過多・妊婦などには禁忌となっています。
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