旋覆花(せんぷくか)
基原
キク科CompositaeのオグルマInula britannica L. subsp. japonica Kitam.,ホソバオグルマI. linariaefolia Turcz.などの頭花
性味
苦・辛・鹹、微温
帰経
肺・胃・大腸
効能・効果
①消痰降気平喘
②降逆止噫
主な漢方薬
旋覆花湯(せんぷくかとう)
旋覆花代赭石湯(せんぷくかたいしゃせきとう)
特徴
オグルマは日本に自生する多年草で、湿地、川岸、田の縁などに生育しており、地下茎を出して群生します。近年では地域の開発や草地管理の停止、農薬の使用などにより、自生地が減少しています。和名のオグルマは、花を小さな車に例えたことが由来となっています。
オグルマの地上部は金沸草(きんふつそう)という名前の生薬になります。効能は旋覆花と同じですが、消痰化飲の力が強いと言われています。旋覆花と同じく咳嗽・呼吸困難・多痰に、前胡(ぜんこ)や半夏(はんげ)などと一緒に用いられます。代表的な漢方薬に、金沸草散(きんふつそうさん)があります。
「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」の下品に分類されています。
咳を止める止咳平喘薬(しがいへいぜんやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に桔梗(ききょう)、款冬花(かんとうか)、白前(びゃくぜん)、杏仁(きょうにん)、桑白皮(そうはくひ)、枇杷葉(びわよう)、蘇子(そし)があります。
呼吸困難・咳嗽・多痰に、桑白皮や桔梗、檳榔子(びんろうじ)などと一緒に用いられます。代表的な漢方薬に旋覆花湯(せんぷくかとう)があります。
脾胃虚寒や痰湿内阻による曖気・嘔吐・吃逆に用いられます。代表的な漢方薬に、代赭石(たいしゃせき)や半夏などと一緒に配合された旋覆花代赭石湯(せんぷくかたいしゃせきとう)などがあります。
旋覆花は毛茸が多く、煎じると濁って澄みにくく、喉を刺激して痒みを生じます。煎じる時には布に包んだ状態で行います。
温散降逆するので、陰虚咳嗽・風熱燥咳には禁忌です。脾虚の泥状~水様便には適しません。
※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。
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