酸棗仁湯(さんそうにんとう)
組成
酸棗仁(さんそうにん)・川芎(せんきゅう)・知母(ちも)・甘草(かんぞう)・茯苓(ぶくりょう)
効果
心身がつかれ弱って眠れないもの
効能
養血安神・清熱除煩
主治
肝血不足・虚火上擾:
煩躁・不眠・多夢・よく目が覚める・動悸・盗汗・頭のふらつき・めまい・口や咽の乾燥など
方意
漢方で不眠を改善させようとする時のファーストチョイスになる処方です。体力が衰えている方が、気が昂って眠れないときやその他の神経症状に用いられます。
診断のポイントは、虚証・胸中煩悶・興奮・不眠などです。
「金匱要略(きんきようりゃく)」には「虚労虚煩、眠るを得ざるは、酸棗仁湯これを主る」とあります。肝と心は母子関係にあるため、肝血虚があると子臓である心も血虚して精神不安定となります。肝血虚は虚熱を生じやすく、その虚火が子臓である心を攻撃することでさらに不安定になります。そのため、肝血を治め肝気を安定させ、虚熱を取り去る必要があります。
精神をリラックスさせる安神作用を酸棗仁が担い、茯苓が補助します。川芎は血液循環を正し、知母は神を鎮静し、滋養しながら良質な睡眠を手助けする内容になっています。
人間は心身ともに疲れると不眠になり、精神も不安定になりますが、その症状を改善するのにふさわしい構成の漢方薬といえます。
習慣性もなく、安心して使用できます。
虚火が強いときには、辛温の川芎を除いて、養陰清熱の生地黄(しょうじおう)・旱蓮草(かんれんそう)・女貞子(じょていし)・白芍(びゃくしゃく)などを加えます。盗汗が顕著なときは、安神歛汗の五味子(ごみし)・柏子仁(はくしにん)・牡蛎(ぼれい)などを加えます。
類方鑑別
帰脾湯(きひとう):
脾が弱く虚証の方の憂思過度で生じた不眠に用います。顔色が青白く、不安、抑うつなどの精神症状があります。
抑肝散(よくかんさん):
気血両虚の方で、肝気が抑り不眠になります。神経過敏で興奮しやすいです。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):
やや実証の不眠です。肝気鬱結して煩驚し、胸脇苦満と心下に動悸があります。
猪苓湯(ちょれいとう):
下焦の湿と熱による不眠に用います。
参考文献
編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)
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