三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)
組成
効果
比較的体力があり、のぼせ気味で、顔面紅潮し、精神不安で、便秘の傾向のあるものの次の諸症:
高血圧の随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重、不眠、不安)、鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症※
※血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のこと。
効能
清心瀉火・解毒・泄熱化湿
主治
心火:
焦燥感・不眠・多夢・動悸・顔面紅潮・口内炎・舌尖のしみるような痛み・甚だしい狂躁状態など
血熱妄行:
鼻出血・吐血・喀血などの出血に、便秘・尿が濃いなど
三焦熱毒積滞:
目の充血や腫脹・口内炎・皮膚の化膿症・煩躁・熱感・尿が濃い・便秘など
湿熱内蘊(熱重湿軽):
黄疸・胸があつ苦しい・上腹部が痞える・腹満など
方意
三黄瀉心湯は瀉心湯類(しゃしんとうるい)の中で最も実証向けの薬方です。瀉心湯類とは、清熱薬である黄芩と黄連が一緒に配合されている漢方薬のことです。瀉心とは、みぞおちのつかえを取り去るという意味で、このような症状がある方に用いられます。代表的な瀉心湯類として、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、三黄瀉心湯などがあります。
三焦の実火(実熱、熱盛)を瀉下効果により排泄します。
診断のポイントは、充血・のぼせ・イライラ・出血傾向・胸や心窩部のつかえ・便秘などです。
三黄瀉心湯は清熱瀉火・解毒・化湿の効能を持っていますが、降火に特徴があります。構成する3つの生薬はいずれも苦寒で清熱瀉火・解毒・化湿に働き、実熱・火毒・湿熱を清泄します。清熱降火により上部の火熱を下降させる大黄が主薬です。上焦の熱毒には黄芩が、中焦には黄連が、下焦には大黄がそれぞれ作用し、上中下三焦すべてに対し清泄解毒に働きます。
黄連解毒湯より更に実証で便秘を伴います。黄連解毒湯は利尿作用に優れ、三黄瀉心湯は瀉下効果により火邪を排泄します。
類方鑑別
黄連解毒湯(おうれんげどくとう):
体力中等度以上の方で、三黄瀉心湯と似ていますが、湿熱が三焦に停留して尿不利があって便秘の傾向のない場合に用います。
桃核承気湯(とうかくじょうきとう):
比較的体力のある方で、のぼせぎみで便秘の傾向があり、下腹部に自発痛・抵抗・圧痛があり、女性ではさらに月経不順・月経困難などを伴う場合に用います。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):
比較的体力のある方で、頭痛・不安・不眠などの精神神経症状を訴え、季肋部の抵抗・圧痛胸脇苦満と臍傍部の腹部大動脈の拍動亢進がある場合に用います。
参考文献
編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)
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