三物黄芩湯(さんもつおうごんとう)

組成

黄芩(おうごん)苦参(くじん)・乾地黄(かんじおう)

効果

手足のほてり

効能

滋陰涼血・清熱燥湿・殺虫止痒

主治

産後陰血不足の湿熱下注

方意

三物黄芩湯は血熱を治す方剤です。血室の熱が全身に及び、四肢が熱く苦しみもだえるのを治します。病態は陰虚火旺です。

診断のポイントは、虚熱・貧血・煩熱・倦怠・四肢煩熱・腹部軟弱・少腹不仁などです。

3つの生薬が協力して四肢煩熱を主徴とする血熱血燥を治します。

臨床的には婦人の血の道症・更年期障害・手足のほてりを改善します。

苦参には殺虫作用があるため、水虫や乾癬にも効果を発揮します。

虚証の方には不向きな処方です。

類方鑑別

温清飲(うんせいいん)
体力中等度の方で、手足の熱感があり、のぼせ・神経過敏・出血傾向などを伴います。皮膚疾患では、手掌・足蹠に限らず全身各所に乾燥・発赤・熱感があり、上腹部の緊張・抵抗がある場合に用います。

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう):
体力のある方で、急性症では身体灼熱感とともに激しい口渇や発汗などを伴います。慢性病では局所的灼熱とともに口渇を認めます。皮膚疾患においては手掌・足蹠に限らず全身各所に発赤があり、皮膚掻痒感が特に顕著な場合に用います。

八味地黄丸(はちみじおうがん):
比較的体力の低下した方あるいは老人で、手足や足の裏にほてり・口渇・腰痛・排尿障害・頻尿・多尿・乏尿・排尿痛などを伴う場合に用います。

温経湯(うんけいとう)
比較的体力の低下した冷え症の方で、手掌のほてり、口唇の乾燥感があり、月経不順・月経困難症・下腹部の冷え・膨満感などのある場合に用います。

小柴胡湯(しょうさいことう)
虚実中間証、煩熱や頭痛をみることがありますが、寒熱往来し、胸脇苦満があります。

小建中湯(しょうけんちゅうとう)
虚労・裏急があって、そのために手足煩熱します。

参考文献

編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)