柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
組成
柴胡(さいこ)・黄芩(おうごん)・半夏(はんげ)・人参(にんじん)・竜骨(りゅうこつ)・牡蛎(ぼれい)・茯苓(ぶくりょう)・桂枝(けいし)・大棗(たいそう)・生姜(しょうきょう)・大黄(だいおう)
効果
比較的体力があり、心悸亢進、不眠、いらだち等の精神症状のあるものの次の諸症:
高血圧症、動脈硬化症、慢性腎臓病、神経衰弱症、神経性心悸亢進症、てんかん、ヒステリー、小児夜啼症、陰萎
方意
柴胡加竜骨牡蛎湯は2つの神経症(イライラ・不安)を一挙両得で改善できる便利な漢方薬です。
診断のポイントは、胸脇苦満・臍上悸・煩驚などです。
不安を感じて大きく揺さぶられる「心の失調」を鎮める竜骨・牡蛎と、イライラを感じる「肝の失調」を正す柴胡・黄芩が含まれています。
茯苓・半夏・生姜・人参・大棗・桂枝という胃腸系を正す(体内の水分代謝も改善させる)生薬を加え、ストレスにより便秘になり、体内にこもってしまった熱を瀉下させる大黄を加えることで、動悸やイライラなどの疾患を効率的に鎮める処方になっています。
ストレス性の神経症(イライラ・不安)が根底にあり、動悸や不眠、便秘に悩む方に非常に効果的ですが、大黄の瀉下作用には注意が必要です。便秘傾向ではない方には、大黄だけを抜いた柴胡加竜骨牡蛎湯去大黄(さいこかりゅうこつぼれいとうきょだいおう)という処方もあります。
「金鏡内台方議(きんきょうないだいほうぎ)」に載っている柴胡加竜骨牡蛎湯は、柴胡・人参・竜骨・牡蛎・鉛丹(えんたん)・桂枝・茯苓・生姜・大黄・半夏・大棗の11味で構成されています。鉛丹には毒性があるため、現代では鉛丹を除くことが一般的です。
類方鑑別
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう):
少陽病で煩熱の証がありますが、脾弱虚証です。
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう):
神経症状と動悸がありますが、腎弱虚証で、虚陽が上浮したものです。胸脇苦満はなく少腹弦急します。
抑肝散(よくかんさん):
神経症状がありますが、興奮性のものです。腹直筋の緊張があり、胸脇苦満はほとんどありません。
大柴胡湯(だいさいことう):
実証、胸脇苦満が強いです。便秘があり、神経症状や動悸はありません。
甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう):
柴胡加竜骨牡蛎湯は抑うつと不安の症状ですが、甘麦大棗湯の精神神経は狂症です。
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):
動悸とめまいがありますが、胸脇苦満はありません。
参考文献
編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)
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