女貞子(じょていし・にょていし)
基原
モクセイ科OleaceaeのトウネズミモチLigustrum lucidum Aitonの成熟果実
性味
甘・苦、涼
帰経
肝・腎
効能・効果
①滋腎養肝・烏髪明目・清虚熱
主な漢方薬
二至丸(にしがん)
特徴
トウネズミモチは中国原産の常緑高木で、日本には明治のはじめに渡来しました。庭木や生け垣として植えられ、6~7月に大型の花序を出し、小さな白い花を多数付けます。やや球形に近い楕円形の果実をつけ、次第に紫黒色に熟します。
日本には近縁種のネズミモチが自生しています。名前の由来は果実がネズミの糞に似ており、木全体がモチノキに似ていることから付けられました。トウネズミモチの「トウ」は中国由来であることを示す接頭語「唐」のことです。ネズミモチは小型の常緑高木で、葉も小型です。果実をつぶすとネズミモチの果肉は暗紫色で、トウネズミモチは淡緑色となっています。ネズミモチも女貞子として利用されていた経歴がありますが、現在市場に流通している女貞子はトウネズミモチ由来のものです。トウネズミモチは公害や病虫害に強く日本でも公園樹としてよく植えられていましたが、在来のネズミモチとの競合、また交雑や果実食鳥類の餌資源のバランスを崩すとされ、現在は外来生物法で要注意外来生物として指定されています。
女貞子の中国での評価は高く、古来よりお肌や髪をつややかにしたり、白髪、かすみ目、腰・膝のだるさや滋養強壮によく用いられています。中国では「二至丸(にしんがん)」の構成生薬として有名です。二至丸は旱蓮草(かんれんそう)と女貞子の二味で構成されています。旱蓮草は陽の気が極まる夏至に、女貞子は陰の気が極まる冬至に収穫されることから二至丸という名前がつきました。肝腎陰虚(かんじんいんきょ)という状態によく使われ、頭のふらつき、めまい、ほてり、耳鳴り、白髪、更年期障害などに効果があります。
女貞子は「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」の上品に「女貞」として分類されており、古くから薬用として利用されていました。「女貞」の名称について「本草綱目(ほんぞうこうもく)」では「この木は冬をしのいで青翠なるもので、貞守の操がある。ゆえに貞女を以って形容したのである」と記載しています。
粒が大きく、充実していて、灰黒色で質が堅実なものが良品とされています。
体を潤す滋陰薬(じいんやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に沙参(しゃじん)、浜防風(はまぼうふう)、天門冬(てんもんどう)、麦門冬(ばくもんどう)、玄参(げんじん)、百合(びゃくごう)、黄精(おうせい)、旱蓮草、玉竹(ぎょくちく)、枸杞子(くこし)、亀板(きばん)、鼈甲(べっこう)があります。
女貞子と枸杞子はともに肝腎を補益します。滋補の力は枸杞子の方が優れており、女貞子は清虚熱に優れています。
肝腎陰虚の早期白髪・腰や膝がだるく無力・頭のふらつき・めまい・潮熱などに用いられます。代表的な漢方薬に、旱蓮草と一緒に配合された二至丸があります。肝腎不足による視力減退・目がかすむなどの症候に、熟地黄(じゅくじおう)や菊花(きくか)と一緒に用いられます。
苦涼で脾陽を損傷しやすいので、脾虚寒の泄瀉や陽虚には禁忌です。
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