頻尿
通常、排尿回数は1日5~6回が正常です。それ以上だと頻尿、それ以下だと尿量が少ないとされています。しかし、季節によって回数は変化するため、一概に1日何回以上が異常とは言えません。
中医学では五臓の「腎」が尿を作り、膀胱をコントロールして尿を出す・止めるという司令を出すと考えられています。加齢に伴う尿トラブルは基本的には「腎」の失調によるものが多いです。
タイプ別の解説
1. 「腎」の機能失調による頻尿
尿トラブルの原因の大多数は「腎」にあります。「腎」を補う基本処方である六味地黄丸(ろくみじおうがん)が第一選択薬になります。六味地黄丸はいくつかの生薬をプラスすることで、さらに効果を広げることができます。
よく使われる漢方薬
- 「腎」の機能失調による頻尿
→ 六味地黄丸
2. 冷えを伴う頻尿
「腎」の機能が弱まると、体を温める根本的な力が衰えて体が冷えるようになります。このような状態を「陽虚(ようきょ)」といい、六味地黄丸に体を温める効果のある桂枝(けいし)と附子(ぶし)をプラスした八味地黄丸(はちみじおうがん)が第一選択薬になります。
よく使われる漢方薬
- 冷えが強い場合の頻尿
→ 八味地黄丸
3. 水分代謝異常を伴う頻尿
水分循環のトラブルを伴う場合は、八味地黄丸に水分代謝能力を高める車前子(しゃぜんし)と牛膝(ごしつ)を加えた牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)が適しています。冷えが強く、体にむくみやだるさを感じ、喉が乾くという方に用います。
よく使われる漢方薬
- むくみやだるさを伴う頻尿
→ 牛車腎気丸
ー 日常生活のポイント ー
頻尿の原因が体を温める力の衰えである場合、とにかくお腹の中から温まる食事を心がけましょう。鶏肉、牛肉、エビ、香辛料などを用いて体を温め、「腎」を補う食材(黒ゴマ、黒豆、くるみ、松の実、クコの実、海藻類など)を取り入れましょう。
1年を通して腰まわりや足首を冷やさないようにし、できれば夏場も靴下を履いて足首を守りましょう。
実際にあった症例
当店に寄せられた『喜びの声』の中から、このページの症状と関連のある事例についてご紹介します。
50代・女性
夏場は1ヶ月近く夜1回トイレに行くようになり、悩んでネットを見て、こちらの桃華堂さんを見つけ、相談しました。
私の体に合った漢方薬を処方していただき、1ヶ月くらいで改善が見られ、夜もトイレに行かなくて良くなりました。漢方の味の方も飲みやすくて好きです。また体の調子が悪くなったらお世話になりたいと思います。
40代・男性
毎晩1回はトイレに行っていたのが、漢方薬を飲み始めてからは、2~3日に1回あるくらいまで減って、飲んでみて良かったです。