車前子(しゃぜんし)

基原

オオバコ科PlantaginaceaeのオオバコPlantago asiatica Linne、ムジナオオバコP. depressa Willd.などの成熟種子

性味

甘・淡、寒

帰経

肝・腎・肺・小腸

効能・効果

①清熱利水
②滲湿止瀉
③清肝明目
④化痰止咳

主な漢方薬

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
清心蓮子飲(せいしんれんしいん)
五淋散(ごりんさん)
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

特徴

オオバコは日本全国の日当たりの良い道端や、人に踏まれた広場などで見ることのできる多年草です。オオバコは漢字で書くと「大葉子」という字になり、広くて大きな葉を持つことが由来です。人馬に踏まれても負けずに生育する強靭な性質を有していることから「轍草(わだちぐさ)」の別名があります。逆に踏みつけが弱い場所では、高くのびることができないため他の草に負けてしまいます。人に踏まれなくなるとその場所では自然に絶えてしまうという性質があります。

「車前」という名は牛馬車のよく通る道端に生えているところからきています。中国では古名を馬道、馬、牛遺とも称し、馬や牛の歩いた後によく生えるところから名付けられました。種子は表面が濡れると種子から粘液が出て、靴の裏や衣服などにくっつくことで人の移動により分布域を広げます。Plantago という属名も「足の裏」と「運ぶ」を組み合わせたもので、「足の裏で運ぶ」という意味があります。

オオバコの種子は「車前子」、全草は「車前草(しゃぜんそう)」という生薬になります。どちらも利尿作用・鎮咳作用を持っていますが、車前草は涼血解毒作用が強く、鼻出血・血症・皮膚化膿症・炎症性下痢・膀胱の炎症や腫れなどにも使用できます。

現在中国市場の車前子は、大粒のもの(大粒車前)と、小粒のもの(小粒車前)の2種があります。オオバコやオニオオバコ由来のものを大粒車前子と称し、ムジナオオバコ由来のものを小粒車前子と称します。

車前子は「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」の上品に収載されおり、古くから薬用として利用されていました

車前子は光沢があり、黒褐色で、よく充実し、砂の混入の無いものが良品とされています。水に浮くもの、光沢の無いものは不良品とされます。

水の巡りを改善する利水滲湿薬(りすいしんしつやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に茯苓(ぶくりょう)、猪苓(ちょれい)、沢瀉(たくしゃ)、茵蔯蒿(いんちんこう)、防已(ぼうい)、薏苡仁(よくいにん)、木通(もくつう)、滑石(かっせき)、金銭草(きんせんそう)があります。

車前子と沢瀉は共に利水滲湿・泄熱に働きますが、車前子は清肝明目・化痰止咳の効能も備えています。

湿熱内蘊の水腫・尿量減少・排尿痛・排尿困難・尿が濃いなどの症状に用いられます。代表的な漢方薬に、滑石や山梔子(さんしし)と一緒に配合された五淋散(ごりんさん)があります。

暑温挟湿の嘔吐・下痢・尿量減少などの症状に、茯苓や猪苓などと一緒に用いられます。

肝熱による目の充血・腫脹・疼痛などの症状に用いられます。代表的な漢方薬に、竜胆(りゅうたん)や黄芩(おうごん)と一緒に配合された竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)があります。

肝腎不足の視力減退・飛蚊症・角膜混濁・流涙などの症状に、熟地黄(じゅくじおう)などと一緒に用いられます。

肺熱の咳嗽・多痰に、杏仁(きょうにん)桔梗(ききょう)と一緒に用いられます。

炒用すると利水止瀉に、生用すると化痰に働きます。

車前子を煎じるときは、布に包んで煎じます。

湿熱がない方や妊婦さんには禁忌です。

※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。

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