生理痛
初潮が12歳、閉経が50歳で毎月生理があると仮定すると、一生の間に経験する生理の回数は約450回となります。女性にとってかなりの期間と出血量になりますので、生理中をいかに快適に過ごすかは重要です。
生理痛の原因を漢方の観点で解釈すると、「瘀血(おけつ:血液の流れが悪い状態)」が根底にあります。瘀血を悪化させる要因には疲労・ストレス、運動不足、暴飲暴食、冷えなどがあり、これらがある場合は生活改善も一緒に行う必要があります。
タイプ別の解説
1. 瘀血による生理痛
瘀血による生理痛は、下腹部の刺すような痛みが特徴です。瘀血体質の方は、その血流の悪さから体内の熱がうまく分配されず、上半身ののぼせと下半身の冷えを併せ持ちます。熱症状を伴う場合は、イライラする精神状態や便秘を生みます。生理痛以外にも、子宮内膜症や子宮筋腫などを併発していることも多いです。
2. 血液不足による生理痛
生理中の女性は「血虚(けっきょ:血液が不足した状態)」になりやすいです。血液が不足している状態が慢性化すると、下腹部や腰の冷えを招き、血流を悪化させます。月経周期の延長が見られ、経血の色は淡く、量は少なくなります。生理周期の後半に痛みが強くなるのが、血虚タイプの生理痛の特徴です。
ー 日常生活のポイント ー
生理痛は冷えで悪化します。体が冷えて骨盤内の血流が悪くなると、子宮の収縮が強くなり痛みを感じやすくなるので、生理痛がある方はまず体を冷やさないように注意しましょう。
生理中に避けたほうがよい習慣
- 甘いものの食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎ
- 夜更かし、寝不足
- パソコン、スマホなどによる目の使いすぎ
- ダイエットや激しい運動
実際にあった症例
当店に寄せられた『喜びの声』の中から、このページの症状と関連のある事例についてご紹介します。
30代・女性
この方は常に足のむくみがひどく、下肢静脈瘤のようなものも併発していました。生理痛でピルを服用すると足の痛みがひどくなるため、常に我慢するしかなかったそうです。40℃以上の風呂に10-15分はいってもすぐ湯冷めしてしまうなど、体温調節にも問題がありました。
症状の改善は一進一退を繰り返していましたが、最終的には痛み止めがなくても過ごせる時も増えてその他の症状も落ち着いたため、現在は治療を終了しています。
30代・女性
この方は生理に伴う頭痛や吐き気などの症状でご相談に来られました。舌を拝見したところ、舌裏の静脈がボコボコしており、月経血に血の塊が多く混じるなど、瘀血(おけつ:血の巡りが悪い状態)の証が見られました。
3ヶ月ほど漢方薬を服用していただき、その間に2回生理がありましたが、そのどちらも目立った不調なく過ごしていただくことができました。