咳に使用する漢方薬

咳は日常よく見られる症状の一つです。

咳自体は防御反応の一種であり、むやみに止めるべきではありません。しかし、放っておくと体力を消耗し、QOLを下げる要因になります。

慢性化した咳は、改善するのに時間がかかります。体質にあった漢方薬に切り替えつつ、症状の緩和と体質改善を同時に行います。

喘息症状のように短期的に危険性の高い疾患が根底にある場合は、病院で処方される吸入器などを併用しながら漢方薬を使ったほうが安全です。


タイプ別の解説

1. 空咳、痰の切れにくい咳

「肺陰虚」といわれる肺の潤い不足によって咳がでます。空咳、なかなか切れない痰、声嗄れなど乾燥に伴う症状が特徴です。急に気管が詰まって突き上げるような咳が止まらなくなり、呼吸が苦しくなるという症状が出る場合もあります。潤い不足によりオーバーヒート状態になった肺を潤す漢方薬が用いられます。

よく使われる漢方薬

2. 痰や喉の異物感を伴う咳

痰が多く、特に緊張したりすると咳払いを繰り返したり、喉に異物感を感じます。喉の異物感は、病院に行くと自律神経失調症と診断されることが多いですが、中医学では「梅核気(ばいかくき)」という名のつく症状です。喉に梅の種がつっかえたような異物感は過労やストレスなどが原因で気の巡りが悪くなって引き起こされます。

よく使われる漢方薬

3. 水のような痰を伴う咳

体が冷えており、色が薄く、水のような痰が多くでるタイプの咳です。痰は中医学で「貯痰の器」と呼ばれる「肺」と、「生痰の源」と呼ばれる「脾(胃腸)」によって作られるとされています。痰が大量に生成されている場合は、咳の治療だけでなく、胃腸を整える漢方薬を併用する必要があります。水分のとりすぎにも注意しましょう。

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実際にあった症例

当店に寄せられた『喜びの声』の中から、このページの症状と関連のある事例についてご紹介します。

40代・女性

この方は2ヶ月以上続く咳に悩まされており、呼吸器で診察を受けても異常が分からない状態でした。当店では水分代謝に異常があると考え漢方薬を処方したところ、わずか2週間で咳がほとんど出なくなりました。咳に加えて痰や下痢などの症状も改善し、治療を終了しています。

60代・女性

この方の症状はかなり前からのものでしたが、生活環境の変化をきっかけに漫然とした不安感を抱えており、ぐっとつまるようなのどの苦しさがありました。治療を続けていくうちにひどいのどのつまりは軽減され、たまに咳払いがしたくなる程度まで落ち着きました。

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