【漢方相談】40代・女性 咳

◆ ご相談された症状

2ヶ月以上せきが止まらない

◆ ご相談されて症状はどう変わりましたか?

呼吸器で診察を受けたが、どこも異常がなく、漢方をこちらで処方して頂きました。
とても咳が減り、大変助かりました。

診察によって、内側からのアプローチや、生活習慣の乱れ等、アドバイスを頂き、ありがとうございました。

桃華堂からのコメント

この方は2ヶ月前から急に咳が出始め、呼吸器内科を3件回って検査をしましたが異常が見つからず、当店にご相談に来られました。アレルギーや喘息はなく、抗アレルギー薬や吸入薬を使用しても咳が止まらず、激しい咳が続いていました。痰や鼻水はなく、喉が詰まった感じがしていました。

病院ですでに漢方治療を受けており、小柴胡湯(しょうさいことう)半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)などを服用していましたが、効果はいまいちなようでした。東洋医学では、呼吸は五臓の「肺」と「腎」の共同作業によって行われています。お話を聴くと、健康のために毎日2Lのお茶を飲んでおり、下痢することが多いとのことでした。おそらく五臓の「腎」が冷えと過剰な水分により衰えたとこで呼吸がうまくできなくなったと考え、「腎」を補う味麦地黄丸(みばくじおうがん)真武湯(しんぶとう)を中心に処方いたしました。特に真武湯は体を温め、余分な水分の排出を促進する働きがあります。

2週間の服用で咳はかなり軽減されました。代わりに尿量が増え、痰が出るようになりました。これは、水分代謝の悪化により過剰に体に溜められていた水分が、利水作用により体外に排出され始めたためです。水分代謝の改善後は、滋陰降火湯(じいんこうかとう)に切り替えました。約2ヶ月間の服用で咳や痰に加えて下痢症状も改善し、漢方治療を終了しています。

健康のために多く水分を摂取しているという方がいらっしゃいますが、水分は飲みすぎても飲まなさすぎても不調の原因になります。最適な水分量は個人によって異なるので調節は難しいですが、一番よい見分け方法は尿の色を見てもらうことです。尿の色は水分量が多いほど薄くなります。朝一番の尿が濃いのは除いて、日中の尿の色が淡黄色から淡黄褐色になっているのが理想です。常に透明に近い場合は水分のとりすぎなので、不調がある場合は少し摂取量を減らしてみましょう。