延胡索(えんごさく)

基原
ケシ科 Papaveraceaeのヤブケマン属植物Corydalis yanhusuo W.T. Wangの塊茎
性味
辛・苦、温
帰経
肝・脾・心・肺
効能・効果
①活血行気・止痛
主な漢方薬
安中散(あんちゅうさん)
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
折衝飲(せっしょういん)
牛膝散(ごしつさん)
特徴
植物の中には「スプリング・エフェメラル」と呼ばれるものがあります。「春植物」とも言い、直訳すると「春のはかない生きもの」「春の短い命」というような意味で、「春の妖精」とも呼ばれます。春先に花をつけて、夏までに葉をつけると枯れてしまい、残りの10ヶ月ほど地下で休眠して過ごすという植物です。エンゴサクはそんなスプリング・エフェメラルの仲間です。
種類によって花の色が変わり、エゾエンゴサク・ヤマエンゴサクは青紫色、ジロウボウエンゴサクは赤紫色の花をつけます。
エンゴサクと同じケシ科で有名なのが、麻薬成分のモルヒネを含むケシです。モルヒネは麻薬性鎮痛剤で、がんの痛みに対して使われています。エンゴサクにも局所麻酔作用があり、痛みを止める漢方薬に配合されています。毒性をもつことが多いケシ科の植物ですが、エンゴサクは特に毒性はありません。
瘀血(おけつ:血流が悪い状態)を改善する活血化瘀薬(かっけつかおやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に川芎(せんきゅう)、鬱金(うこん)、蘇木(そぼく)、降香(こうこう)、丹参(たんじん)、桃仁(とうにん)、紅花(こうか)、牛膝(ごしつ)、水蛭(すいてつ)などがあります。
「通じればすなわち痛まず」という言葉があります。これは「気や血の流れがよければ痛みはなくなる」という意味です。延胡索には気と血の巡りをよくする働きがあり、これが鎮痛・鎮痙効果を発揮してくれます。胃痛・腹痛・胸痛・月経痛などに用いられ、茴香(ういきょう)と一緒に配合されている安中散(あんちゅうさん)は冷えによる腹痛に使う代表処方です。
気滞瘀血(気と血の流れが悪い状態)の月経痛・無月経や産後瘀阻による腹痛など婦人の下腹部痛に効果があります。当帰(とうき)や川芎と一緒に配合されている芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)や折衝飲(せっしょういん)はその代表的な処方です。
痛みを止める働きが強く、毒性をもたない大変優れた生薬です。
※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。お取り扱いのない商品についてのお問い合わせはご遠慮ください。
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