降香(こうこう)

基原

マメ科LeguminosaeのニオイシタンDalbergia odorifera T.Chenの根の心材。あるいはミカン科RutaceaeのAcronichia pedunculata Miq.の茎の心材

性味

辛、温

帰経

心・肝・脾

効能・効果

①散瘀止血定痛
②降気闢穢化濁

主な漢方薬

冠心Ⅱ号方(かんしんにごうほう)

特徴

ニオイシタンは中国の福建省、海南島、浙江省に分布する高さ10~15mの落葉樹です。名前に「シタン(紫檀)」とついていますが、いわゆる紫檀(Pterocarpus spp.)ではなく、黄檀(Dalbergia hupeana)の仲間です。中国では「黄花梨(おうかりん)」と呼ばれています。

和名に「ニオイ」とあり、生薬名も「降香」ということからもわかるように、芳香があり、香木として利用されていました。

その木目の美しさから紫檀と並ぶ最高級木材として、明時代や清時代に家具として加工されてきました。清時代にはすでに貴重品になっていたらしく、庶民はニオイシタンの家具を使うことを禁じられていたほどです。現在ではほとんど取り尽くされてしまったため、ニオイシタンは絶滅危惧種に指定されており、ワシントン条約により新しく伐採することは禁止されています。中国国内では流通しているニオイシタン製の物も国外へ持ち出すことは禁じられており、違反すると没収の上、罰金刑が課されます。ニオイシタンを使用した家具や小物は現在も価格が高騰しており、コレクターの対象となっています。

瘀血(おけつ:血流が悪い状態)を改善する活血化瘀薬(かっけつかおやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に川芎(せんきゅう)延胡索(えんごさく)、蘇木(そぼく)、鬱金(うこん)、丹参(たんじん)、桃仁(とうにん)、紅花(こうか)牛膝(ごしつ)水蛭(すいてつ)などがあります。

降香が配合されている漢方薬で有名なのが冠心Ⅱ号方(かんしんにごうほう)です。狭心症や心不全の治療薬として有名な処方ですが、現代では降香を木香(もっこう)と香附子(こうぶし)に変更した処方が日本では流通しています。

潤い不足が進行して熱をもっている場合や、血分に熱がある場合は禁忌です。

瘀滞がないときには、気を消耗して血分を傷つけてしまう可能性があるため使用を避けたほうがよいです。

※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。

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