茴香(ういきょう)

茴香

基原

セリ科Umbelliferaeのウイキョウ Foeniculum vulgare Mill.の成熟果実

性味

辛、温

帰経

肝・腎・脾・胃

効能・効果

①散寒止痛
②理気和胃

主な漢方薬

安中散(あんちゅうさん)

特徴

セリ科の植物にしては大きく、成長すれば高さが2mに達する大型の多年草です。小さくて黄色い可愛い花が咲きます。

ヨーロッパもしくは地中海原産と考えられており、古代エジプトや古代ローマでも栽培されていた記録が残っています。日本には平安時代に中国から伝わってきました。

体内に入った寒邪を散らす散寒薬(さんかんやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に附子(ぶし)、肉桂(にっけい)、乾姜(かんきょう)、呉茱萸(ごしゅゆ)、蜀椒(しょくしょう)があります。

特に痛みを止める効果に優れており、お腹の冷えによる腹痛や嘔吐、食欲不振にも有効です。延胡索(えんごさく)と一緒に配合されている安中散(あんちゅうさん)は、冷えによる腹痛に使う代表処方です。

茴香は「フェンネル」という名前で香辛料としても使われています。独特の風味が魚の生臭さを消してくれるため、広く魚料理に使われることから魚のハーブ(fish herb)とも言われています。茴香の語源は、腐った魚や肉に混ぜると香気を回復するので「回香」と呼ばれたのが元だと言われています。

茴香は「小茴香(しょうういきょう)」と呼ばれることもあります。茴香と同じ香りがするものに「大茴香(だいういきょう)」というものがありますが、これはシキミ科のトウシキミの果実であり茴香とは別物です。大茴香の果実は8つの角を持つ星形をしており、その形から「八角茴香(はっかくういきょう)」「八角」「スターアニス」とも呼ばれます。茴香と同様に芳香成分のアネトールを含有し、主に香辛料として用いられています。