甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)

組成

甘草(かんぞう)・小麦(しょうばく)・大棗(たいそう)

効果

夜泣き、ひきつけ

効能

養心安神・和中緩急

主治

臓躁:
ぼんやりする・悲壮感がありよく泣く・焦燥・眠り浅い・あくびがよく出る・甚だしいと異常な言動をするなど

方意

甘麦大棗湯は甚だしい興奮状態を鎮静させ、急迫痙攣症状を緩解させる働きがあり、臓躁(古典的なヒステリー様症状)に用いる処方です。

診断のポイントは著しい神経興奮・痙攣・腹皮攣急・あくびを頻発するなどがあります。

甘麦大棗湯の構成生薬である甘草・小麦・大棗は全て緩和鎮静の効果があります。

類方鑑別

抑肝散(よくかんさん):
虚実錯雑証、神経過敏で興奮しやすいですが、甘麦大棗湯証のような急迫症状は訴えません。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):
ヒステリー的というよりノイローゼ的傾向があります。気鬱と咽中炙臠の症状がみられます。

桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
虚証・冷え症・疲れやすい・臍膀に動悸を触れるなどの特徴があります。

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
虚証・心虚の症状があり、不安・神経過敏・不眠などがありますが、急迫症状はありません。

参考文献

編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)