石斛(せっこく)

基原

ラン科Orchidaceaeのセッコク属植物Dendrobium officinale K.Kimura,その他同属植物の茎

性味

甘、微寒

帰経

肺・胃・腎

効能・効果

①養胃生津・滋陰清熱
②滋腎陰・明目強腰

主な漢方薬

石斛湯(せっこくとう)
石斛夜光丸(せっこくやこうがん)

特徴

セッコクはラン科の植物で、岩の上や大木に着生する着生植物です。セッコクの名前は中国名である石斛を音読みしたセキコクが詰まったものです。そのままセキコクが使われる場合もありますが、セッコクと呼ばれることのほうが多いです。岩の上や老木に着生することから、「イワグスリ(以波久須利)」と呼ばれ、古来より滋養強壮の薬草として用いられていました。医療の神様である少彦名神(すくなびこなのかみ)に由来して「スクナヒコノクスネ(須久奈比古乃久須禰)」という別名もあります。

Dendrobium属植物は世界中に900種以上が分布しており、日本にも近縁種が中部以南に分布しています。生薬としての石斛の原料となるのは、アジアに自生するおよそ30種のセッコク属植物です。花の美しさから園芸用として人気があり、セッコクの園芸品種群は「長生蘭(ちょうせいらん)」と呼ばれ、江戸時代から観賞用として栽培されていました。野生品の乱獲が目立ったことから、ワシントン条約でDendrobium属に限らずすべての野生ラン科植物は国際間の移動が規制されています。

現在の日本では余り馴染みのない生薬ですが、中国では人参(にんじん)と並んで古来より虚弱体質の改善を目的に使用する高貴薬として知られていました。

石斛には新鮮品(鮮石斛)と乾燥品(乾石斛)の違い、さらに品種の違いがあるので注意が必要です。鮮石斛は清熱生津の力が強いでの熱病傷津に用い、一般の陰虚には乾石斛を使用します。鉄皮石斛は茎が円で外皮が鉄緑色を呈するもので、清熱生津に最も優れています。金釵石斛(金石斛)は茎が扁円で外皮が黄緑色を呈し、薬力がやや劣ります。四川産の川石斛(細石斛・黄草)は養胃生津の力が弱く清熱が主であり、安徽省・雲南省の霍山石斛は寒性が弱く、老人や虚弱者の津虚に適しており、値段も高価です。石斛の嫩尖を加工したものは耳環石斛と呼ばれ、生津して寒涼でなく、茶の代わりに用いられます。

「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」の上品に分類され、質が硬く、根の白いものが良品とされています。

体を潤す滋陰薬(じいんやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に沙参(しゃじん)浜防風(はまぼうふう)、天門冬(てんもんどう)、麦門冬(ばくもんどう)、黄精(おうせい)、百合(びゃくごう)、玉竹(ぎょくちく)旱蓮草(かんれんそう)枸杞子(くこし)女貞子(じょていし)亀板(きばん)、鼈甲(べっこう)、玄参(げんじん)があります。

熱病傷津の強い口渇あるいは胃陰虚の消渇に、生地黄(しょうじおう)、麦門冬などと一緒に用いられます。陰虚内熱による微熱・身体の熱感・焦燥感などに、生地黄や玄参、地骨皮(じこっぴ)などと一緒に使用されます。代表的な漢方薬に、石斛湯(せっこくとう)があります。

腎陰虚による視力減退・腰や膝がだるく無力などの症状に、熟地黄(じゅくじおう)山薬(さんやく)山茱萸(さんしゅゆ)、菟絲子(としし)、枸杞子などと一緒に用いられます。代表的な漢方薬に、石斛夜光丸(せっこくやこうがん)があります。

体堅質粘であり、先煎する必要があります。

斂邪して邪の外達を妨げるので、運熱病で化燥がみられない場合には、早期に使用してはいけません。

助湿するので、化燥がみられなければ湿温・湿熱には禁忌です。

※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。

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