TE6. 支溝(しこう)
所属する経脈
手の厥陰心包経(けついん しんぽうけい)
別名・別表記
別名:飛虎(ひこ)
名前の由来
中渚(ちゅうしょ)の『中』は「中間」、『渚』は川の「中洲」を意味しています。
液門(えきもん)より上行して第4・第5中手骨の中間に中渚があることを例えてこの名が付けられました。
要穴
① 三焦経の経火穴(けいかけつ)
五行論(ごぎょうろん)において、支溝は『火』の性質を持っています。
五行論(五行説)…自然界に存在する全ての物を、『木・火・土・金・水』の5つの属性に分類する東洋哲学の理論。手の少陽三焦経に属するツボにも五行が配当されており(=五行穴)、支溝は『火』にあたる。
位置
前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横紋の上方3寸。
陽池(ようち)の上方3寸(1寸=手の親指の横幅の長さ)で、橈骨と尺骨の間の陥凹部に支溝はあります。
主治・効能
整形外科領域の症状
背中・肩・腕の痛み、首こり、季肋部痛
主に、手の少陽三焦経の走行部位と関連する症状に対して主に用いられます。
頭・顔の症状
頭痛、目の痛み、難聴、耳鳴り、構音障害、喉の腫れ・痛み
手の少陽三焦経は頭部を走行するため、頭や顔に出る症状に有効です。
その他
便秘
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 総指伸筋・小指伸筋 → 長母指伸筋 → 前腕骨間膜
関係する筋肉
- 総指伸筋
- 小指伸筋
- 長母指伸筋
関係する動脈・静脈
- 後骨間動脈・静脈
関係する神経
- 橈骨神経
- 後前腕皮神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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