TE1. 関衝(かんしょう)
所属する経脈
手の厥陰心包経(けついん しんぽうけい)
名前の由来
関衝(かんしょう)の『関』は「関所」「出入り口」、『衝』は「要衝」を意味しています。
このツボは経気の出ずるところで、気血が盛んな要所であることから関衝と名付けられました。
また、少衝(しょうしょう)と中衝(ちゅうしょう)の間に、関所のように位置することから命名されたという説もあります。
要穴
① 三焦経の井金穴(せいきんけつ)
五行論(ごぎょうろん)において、関衝は『金』の性質を持っています。
五行論(五行説)…自然界に存在する全ての物を、『木・火・土・金・水』の5つの属性に分類する東洋哲学の理論。手の少陽三焦経に属するツボにも五行が配当されており(=五行穴)、関衝は『金』にあたる。
位置
薬指、末節骨尺側、爪甲角から近位内方0.1寸(指寸)、爪甲尺側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。
手の薬指の爪の根本のすぐ内側(小指に近い方)に関衝はあります。
爪の底部の水平線と内側縁の垂線が交わったところに位置しています。
主治・効能
整形外科領域の症状
手指のしびれ
主に、手の少陽三焦経の走行部位と関連する症状に対して主に用いられます。
頭・顔の症状
頭痛、めまい、目の充血・腫れ・痛み、耳鳴り、歯の痛み、のどの腫れ・痛み
手の少陽三焦経は頭部を走行するため、頭や顔に出る症状に有効です。
その他
熱中症、失神
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 爪根
関係する動脈・静脈
- 固有掌側指動脈
- 背側指動脈・静脈
関係する神経
- 尺骨神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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