TE4. 陽池(ようち)

  所属する経脈

手の厥陰心包経(けついん しんぽうけい)

 別名・別表記

別陽(べつよう)

 名前の由来

陽池(ようち)の『陽』は「陽側(手背側))」もしくは「陽経」、『池』は「くぼみ」を表しています。

このツボは陽経に属し、手根背側のくぼみに位置することから陽池と名付けられました。

 要穴

① 三焦の原穴(げんけつ)

原穴は原気(元気)に通じていて、正経十二経脈手の少陽三焦経など)の根本となるところです。

そのため原穴は十二経脈にそれぞれ一つずつ存在していて、それらのツボはすべて手首や足首の近くに位置しています。

臓腑が病気になったときには原穴に反応が現れ、その治療を行う際にも高い効果を発揮します。

 位置

手関節後面、(総)指伸筋腱の尺側陥凹部、手関節背側横紋上。

手関節の甲側、中指と薬指の骨が交わるあたりに陽池はあります。

手関節の甲側には他にもツボがあり、親指側から順に陽渓(ようけい)陽池陽谷(ようこく)が並んでいます。

 主治・効能

整形外科領域の症状

肩・腕・手首の痛み手足の冷え

主に、手の少陽三焦経の走行部位と関連する症状に対して主に用いられます。

頭・顔の症状

目の充血・腫れ難聴口の乾きのどの腫れ・痛み

手の少陽三焦経は頭部を走行するため、頭や顔に出る症状に有効です。

 局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 伸筋支帯 → 総指伸筋腱と小指伸筋腱の間

関係する筋肉

  • 総指伸筋
  • 小指伸筋

関係する動脈・静脈

  • 後骨間動脈
  • 尺側皮静脈

関係する神経

  • 橈骨神経
  • 後前腕皮神経

 参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)

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