仙鶴草(せんかくそう)・龍牙草(りゅうげそう)
基原
バラ科RosaceaeのキンミズヒキAgrimonia pilosa Ledeb.の全草
性味
苦・渋、平
帰経
心・肝・脾・胃・大腸
効能・効果
①収斂止血
②補虚強壮
特徴
キンミズヒキはバラ科の多年草で、日本の北海道から九州に分布し道端や山野で見られます。国外では朝鮮半島や中国大陸、インドシナ半島などに分布しています。
和名のキンミズヒキは漢字で書くと「金水引」であり、ミズヒキと花の付き方が似ていて、花穂が黄色なことから名付けられました。ミズヒキはタデ科の植物であり、キンミズヒキとは異なる仲間の植物です。ミズヒキの花は赤く、紅白に見える花序が水引に似ていることが名前の由来となっています。中国植物名は「黄龍尾(おうりゅうび)」「龍牙草(りゅうげそう)」といいます。果実にはとげがあり、衣服や動物などにくっついて散布されることから「ヒッツキグサ」という別名があります。
茎葉はタンニンを含んでおり、細胞組織を引き締める収斂作用があります。若芽はタンニンが少ないので、山菜としておひたしや和え物として食用にされます。
下痢止めの民間薬としても昔から知られており、「ゲイドメ」という方言名があります。胃腸虚弱者の整腸薬にもなります。冷ました煎液は口内炎、歯肉痛、咽喉炎にうがい薬として用いられます。
出血を止める止血薬(しけつやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に三七(さんしち)、槐花(かいか)、地楡(ちゆ)などがあります。
鼻出血・喀血・吐血・血尿・血便・性器出血など全身各所の種々の出血に、単味であるいは他の止血薬と一緒に用いられます。血熱妄行には生地黄(しょうじおう)、牡丹皮(ぼたんぴ)、側柏葉(そくはくよう)などと一緒に使用されます。虚寒出血には黄耆(おうぎ)、党参(とうじん)、当帰(とうき)などと一緒に用いられます。
元気がない・脱力感・疲労感などに、大棗(たいそう)などと一緒に用いられます。
止痢・解毒などの効能を持つので、血痢・癰瘡腫毒などに使用されます。
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