小建中湯(しょうけんちゅうとう)
組成
白芍(びゃくじゅつ)・桂枝(けいし)・甘草(かんぞう)・生姜(しょうきょう)・大棗(たいそう)・膠飴(こうい)
効果
体質虚弱で疲労しやすく、血色がすぐれず、腹痛、動悸、手足のほてり、冷え、頻尿および多尿などのいずれかを伴う次の諸症:
小児虚弱体質、疲労倦怠、神経質、慢性胃腸炎、小児夜尿症、夜なき
効能
温中補虚・和裏緩急
主治
中焦虚寒・脾虚肝乗:
ひきつるような腹痛があり、温めたり押さえると軽減する・動悸・焦燥感・顔色につやがない・四肢がだるく痛む・手足のほてり・喉や口の乾燥感など
方意
小建中湯は桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)に膠飴を加えた薬方です。桂枝加芍薬湯よりもさらに虚証向きになっています。
診断のポイントは腹部が軟弱・腹直筋の緊張や腹痛・小児では胃腸型の虚弱です。
胃腸の弱い虚弱体質の改善などに用いられます。特に小児には応用範囲が広く、小児科でよく利用されています。小児の腹痛の第一選択薬です。
類方鑑別
桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう):
小建中湯よりもやや実証よりの方で、腹痛は同様ですが、排便異常がある場合に用います。
大建中湯(だいけんちゅうとう):
小建中湯よりも虚証で腹痛が激しいです。腹直筋の緊張はなく、ガスでお腹が膨れており、腸がゴロゴロする場合に用います。
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう):
体力中程度の人で、しばしば腹痛を伴い、腹直筋の緊張は同じですが、肋骨の下部に抵抗・圧痛があります。
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう):
体質が虚弱で、腹直筋の緊張は軽度です。腹部大動脈の拍動が亢進し、神経過敏、精神不安などが顕著です。
八味地黄丸(はちみじおうがん):
虚症で、手足のほてり・軽度の口渇・頻尿などの排尿異常を伴います。胃腸の症状はなく、腹直筋の緊張はありません。
人参湯(にんじんとう):
虚証・胃腸の冷え・腹痛・下痢があり軽く慢性的。
真武湯(しんぶとう):
虚証・疲労感・下痢があります。腹部が軟弱でめまいを伴います。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう):
疲労感が顕著であり、腹直筋の緊張や腹痛はありません。手足に倦怠感があります。
参考文献
編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)
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