白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
組成
知母(ちも)・石膏(せっこう)・人参(にんじん)・甘草(かんぞう)・粳米(こうべい)
効果
のどの渇きとほてりのあるもの
効能
清熱生津・益気
方意
白虎湯(びゃっことう)に人参を加えた処方です。
白虎湯証に似て、熱と渇が主症状ですが発汗が盛んで、津液が欠乏し、やや寒気も覚えます。煩渇し乾燥脱水の著しい方に用います。
診断のポイントは、口渇・多汗・尿自利・皮膚灼熱感・脱水・軽い寒気などです。
白虎加人参湯は白虎湯証の熱盛の後、陽気と津液が損傷された状態に用いるので、白虎湯に補気生津の人参を加えています。
白虎湯、白虎加人参湯は温病では気分にある熱を清する処方の代表です。
白虎湯は歴代の医家により応用範囲が広げられており、「白虎」を冠した方剤が多くみられます。
類方鑑別
白虎湯(びゃっことう):
悪寒がなく、煩熱・口渇・発汗が著しい方に用います。
五苓散(ごれいさん):
口渇・発汗・小便不利及び水逆の症に用います。
八味地黄丸(はちみじおうがん):
軽度の口渇・尿異常(小便不利あるいは頻尿)・小腹不仁・足腰の脱力・冷えなどがある方に用います。
温清飲(うんせいいん):
体力中等度の方で、体に熱感はありますが発汗や口渇はありません。皮膚が乾燥しています。
参考文献
編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)
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