温清飲(うんせいいん)
組成
当帰(とうき)・白芍(びゃくしゃく)・熟地黄(じゅくじおう)・川芎(せんきゅう)・黄連(おうれん)・黄芩(おうごん)・黄柏(おうばく)・山梔子(さんしし)
効果
体力中等度で、皮膚はかさかさして色つやが悪く、のぼせるものの次の諸症:
月経不順、月経困難、血の道症※、更年期障害、神経症、湿疹・皮膚炎
※血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のこと。
効能
補血・清熱解毒
主治
熱毒壅盛三焦の経過が蔓延して耗血し、皮膚の乾燥・顔色につやがないなどをともなうもの
方意
温清飲は血虚を正す基礎処方である四物湯(しもつとう)と熱証を正す清熱解毒の基礎処方の黄連解毒湯(おうれんげどくとう)が合わさった処方です。
診断のポイントは皮膚の乾燥・口渇・血熱性皮疹・粘膜潰瘍・みぞおちの抵抗や圧痛・下腹の軽い抵抗圧痛などです。
血虚は血液不足の病態なので、皮膚が乾燥し、それによって炎症が起き、皮膚のツヤもなく色も悪くなります。これに加えて熱証(ほてり・炎症・イライラなど)が加わっている方に用います。
血を補い潤すことで間接的に熱を冷ます作用と、直接過剰な熱を冷ます作用が混在しています。
虚証向けの四物湯と実証向けの黄連解毒湯を合わせた処方であるため、使う人は体力中程度が目安になります。胃腸が極端に弱っている方に使用する場合は注意が必要です。
顔よりも手足のほてりの方が強いタイプに、この漢方の効果がよく出る傾向があります。
類方鑑別
黄連解毒湯(おうれんげどくとう):
比較的体力の充実した人で、のぼせ・精神不安・出血傾向などはありますが、皮膚の栄養低下や乾燥傾向のない場合に用います。
芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう):
比較的体力が低下した人で、出血が長引いて貧血症状を呈しますが、のぼせ・皮膚症状などを伴わない場合に用います。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):
比較的体力の充実した人で、のぼせ・出血傾向にあるが皮膚の栄養低下がなく、下腹部に抵抗・圧痛のある場合に用います。
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう):
体力中度の方の皮膚疾患で、発疹が散発性で、特に化膿を伴う炎症のある場合に用います。
消風散(しょうふうさん):
比較的体力の充実した人の頑固な皮疹で、分泌物があって痒みの強い場合に用います。
参考文献
編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)
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