柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)

組成

柴胡(さいこ)・白芍(びゃくしゃく)・甘草(かんぞう)枳実(きじつ)川芎(せんきゅう)香附子(こうぶし)青皮(せいひ)

効果

体力中等度で、胸腹部に重苦しさがあり、ときに頭痛や肩背がこわばるものの次の諸症:
腹痛、側胸部痛、神経痛

方意

柴胡疎肝湯は四逆散(しぎゃくさん)の加味方であり、肝気鬱結の代表処方です。ストレスによる精神的症状(イライラ、抑うつなど)や身体的症状(胸腹部の張った痛み、胸部・腹部の遊走性の痛み、胸苦しさ)に用いられます。女性では、生理に関するトラブルが発生しやすいことが特徴で、乳房の張った痛み、生理痛、生理不順などが見られます。

四逆散(柴胡・白芍・甘草・枳実)に川芎・香附子・青皮を加えることで、四逆散の疎肝作用をより強めた処方です。四逆散よりも気滞が強い場合に適しています。柴胡と白芍の組み合わせが含まれる処方には疎肝解鬱作用があります。白芍と甘草の組み合わせは止痛・補気健脾、枳実・香附子・青皮は理気、川芎は活血止痛作用を持ちます。

辞典に記載している処方は「医学統旨(いがくとうし)」に収録されている柴胡疎肝湯です。他にも「張氏医通(ちょうしいつう)」にも柴胡疎肝湯が記載されており、「医学統旨」の柴胡疎肝湯に山梔子(さんしし)乾姜(かんきょう)を加えた処方です。「一貫堂(いっかんどう)」にも柴胡疎肝湯がありまうが、こちらは四逆散の枳実を枳穀(きこく)に変え、桃仁(とうにん)・川芎・紅花(こうか)・牡丹皮(ぼたんぴ)などの駆瘀血剤、芒硝(ぼうしょう)・大黄(だいおう)などの瀉下薬、桂皮(けいひ)・青川・当帰(とうき)・地黄(じおう)を加えた同名異方です。柴胡疎肝湯証で瘀血が強い場合に適しています。

類方鑑別

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
イライラして、疲れやすい方の胃痛、腹痛に用います。肩こり、食欲不振を伴う場合もあります。

加味逍遙散(かみしょうようさん)
神経質で、なんとなくイライラしてのぼせる方に用います。

延年半夏湯(えんねんはんげとう)
肩こりがあって、胃が痛む方に用います。肩こりのほか左側に症状が出やすく、足首の冷えなどもある場合があります。

参考文献

編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)

※ この漢方薬は桃華堂では取り扱いのない商品です。

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