PC8. 労宮（ろうきゅう）

　 所属する経脈

手の厥陰心包経（けついん しんぽうけい）

　別名・別表記

五里（ごり）、鬼路（きろ）、掌中（しょうちゅう）

　名前の由来

労宮（ろうきゅう）の『労』は「労働」、『宮』は「中央」を指しています。

このツボは手の中央に位置し、手は労働にたずさわる器官であることから労宮と名付けられました。

　要穴

① 心包経の栄火穴（えいかけつ）

五行論（ごぎょうろん）において、労宮は『火』の性質を持っています。

　位置

握りこぶしを作ったとき、中指と薬指の先端が当たるところの中間に労宮はあります。

　主治・効能

整形外科領域の症状

手指のしびれ、手のひらの熱感

主に、手の厥陰心包経の走行部位と関連する症状に対して主に用いられます。

循環器系の症状

胸の痛み・不快感、動悸

心包は心臓との関係が深く、循環器疾患の治療に有効です。

その他

不眠、ストレス、口内炎、嘔吐

　局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 手掌腱膜 → 第二虫様筋・深指屈筋腱・浅指屈筋腱 → 第一掌側骨間筋・第二背側骨間筋

関係する筋肉

• 浅指屈筋
• 深指屈筋
• 第二虫様筋

関係する動脈・静脈

• 総掌側指動脈・静脈

関係する神経

• 正中神経
• 尺骨神経

　参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（1997）
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（2009）
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ～触ってわかる身体解剖～ / 医道の日本社 (2012)