延年半夏湯(えんねんはんげとう)
組成
柴胡(さいこ)・枳実(きじつ)・檳榔子(びんろうじ)・桔梗(ききょう)・土別甲(どべっこう)・人参(にんじん)・生姜(しょうきょう)・半夏(はんげ)・呉茱萸(ごしゅゆ)
効果
体力中等度で、みぞおちに抵抗感があって、肩がこり、足が冷えるものの次の諸症:
慢性胃炎、胃痛、食欲不振
方意
慢性の胃障害があり、左季肋下部あるいは左乳房下部に疼痛を訴え、左の肩背にかけて凝り痛む方に用います。現代においては、このようなタイプの胃痛や肩こりに応用されます。
延年半夏湯には枳実・檳榔子・半夏・土別甲・呉茱萸・桔梗・生姜といった化痰・利湿の働きを持つ生薬が多く配合されており、みぞおちの抵抗感を解消する作用を持ちます。特に土別甲は硬くしつこい痰飲を解消する働きがあります。また、痞えを除くだけでなく、枳実・桔梗の対薬を中心に上下の気の流通をスムーズにすることで、痛みや膨満感などの症状を改善します。
原典は「外台秘要方(げだいひよう)」で、条文には「左季肋部のあたりに、痃癖(けんぺき)があって硬くなったり引き攣れたりして、膨満して食べることができず、胸や背中が痛むものを主治する」と書かれています。痰飲と寒邪が結合したようなしつこい邪が胸脇部の辺りにたまり、そのために気の上下の流通も阻害されて痛みや膨満感、痞えなどの症状が現れると考えられます。
原典にもあるように、臨床上は左側に症状が現れることが多いようです。
類方鑑別
大柴胡湯(だいさいことう):
イライラが激しく、胃が張り、便秘する方に用います。肩が凝りやすく、締め付けられることを嫌う場合があります。
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう):
イライラして疲れやすい方の胃痛、腹痛に用います。ストレスが多く肩が凝りやすく食欲不振などの症状もあります。
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):
口臭が気になり、お腹がゴロゴロ鳴る方に用います。吐き気・下痢・みぞおちの痞えなどの症状もあります。
六君子湯(りっくんしとう):
食べると眠くなり、疲れやすく、朝寝起きの悪い方に用います。胃腸虚弱で胃内停水があります。
参考文献
編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)
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