麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)
組成
麻黄(まおう)・杏仁(きょうにん)・薏苡仁(よくいにん)・甘草(かんぞう)
効果
関節痛、神経痛、筋肉痛
効能
祛風化湿
主治
風湿在表による全身の疼痛で夕方に熱感のあるもの
方意
風湿の表証に用いる方剤です。皮膚の表面は血虚して乾き、内側には水湿がある状態に用います。冷えが原因で発熱し、筋肉痛・関節痛を訴えるのが目標ですが、どちらかといえば疼痛より腫脹が主な場合に用います。
診断のポイントは、皮膚枯燥・発熱・筋肉痛・関節痛などです。浮腫やイボを見ることが間々あります。
風湿が表にあって経気を阻滞するので全身が痛み、湿邪によって陽気が鬱しており、外界の陽気が盛んになる午後から陽熱が増して日暮れに発熱します。
麻黄・杏仁で宣肺祛風し、薏苡仁・甘草で健脾祛湿します。麻黄が君薬、杏仁が臣薬ですが、麻黄と薏苡仁の組み合わせによる発表散寒・祛風勝湿が主作用なので、薏苡仁を臣薬と考えてもよいかもしれません。
全体として解表・祛痰・利尿・鎮痛・鎮咳の効果が得られます。温服して微汗をかかせることで、風湿の邪を除くことができます。
麻黄湯(まおうとう)から発汗通陽の桂枝(けいし)を除いており、服用量も非常に少量になっているため、発汗力ははるかに軽度になります。
類方鑑別
麻黄湯(まおうとう):
比較的体力のある方で、頭痛・発熱・悪寒などがあり、発汗傾向がなく、急性の関節痛や筋肉痛を伴う場合に用います。
越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう):
比較的体力のある方で、関節症状・発汗傾向・尿量減少・口渇・浮腫などが麻杏薏甘湯より一層顕著である場合に用います。
薏苡仁湯(よくいにんとう):
体力中等度の方で、関節症状が麻杏薏甘湯より一層顕著で、慢性化している場合に用います。
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう):
比較的体力の低下した方で、冷え性の傾向があり、麻杏薏甘湯に比べて四肢関節の腫脹・疼痛が一層顕著で寒冷により増強する場合に用います。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):
比較的体力の低下した方で、いわゆる水太り体質で、疲れやすく、多汗・浮腫・関節の腫脹・疼痛などがある場合に用います。
参考文献
編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)
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