防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

組成

防已(ぼうい)・黄耆(おうぎ)・白朮(びゃくじゅつ)・甘草(かんぞう)生姜(しょうきょう)・大棗(たいそう)

効果

色白で筋肉軟らかく水ぶとりの体質で疲れやすく、汗が多く、小便不利で下肢に浮腫をきたし、膝関節の腫痛するものの次の諸症:
腎炎、ネフローゼ、妊娠腎、陰嚢水腫、肥満症、関節炎、癰、せつ、筋炎、浮腫、皮膚病、多汗症、月経不順

効能

益気祛風・健脾利水

主治

衛気不固・風水:
浮腫・汗が出る・悪風・尿量減少・身体が重だるいなど

衛気不固・風湿:
肢体や関節が重だるく痛む・汗が出る・悪風・尿量減少など

方意

気虚に風水あるいは風湿の証を伴う場合の基本処方です。

診断のポイントは、ブヨブヨした肥満(風湿身重)・多汗・下肢浮腫傾向などです。

黄耆・白朮・生姜・大棗・甘草の補気健脾作用で気の生産効率を高め、防已・白朮の利水作用で体内の水分代謝を正します。非常にわかりやすい構成で、水太り型の肥満症に用いる漢方薬です。

汗をかきやすいのに、むくみやすくてだるさが取れないという場合、「気虚」が疑われます。エネルギー不足で代謝がうまくいかず、体内に余剰な水分が停滞して、肥満だけでなく関節痛なども起きます。汗かきは代謝がよいように見えますが、気虚により皮膚外へ「漏れ出てしまっている」と捉えるのが正解です。
実証タイプの肥満に用いられることが多い防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)と比べて、こちらは虚証(脾虚・気虚)タイプの肥満に用いる漢方薬です。色白で、むくみやすく、多汗を訴える方にはおすすめです。

湿盛には茯苓(ぶくりょう)・薏苡仁(よくいにん)あるいは五苓散(ごれいさん)などを加え、腹満には枳穀(きこく)・陳皮(ちんぴ)などを配合します。

風湿風水の邪が表に在る(皮水)時虚証なら防已黄耆湯を用い、実証なら越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)を用います。

類方鑑別

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
浮腫・関節の腫脹・疼痛・尿量減少などの症状は似ていますが、比較的体力があって筋肉のしまりがよく、口渇・尿量減少の強い場合に用います。

桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
体力がなく手足の冷えが強く、水太りでない場合に用います。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
肥満症で太鼓腹を呈し、筋肉のしまりがよく、便秘のある場合に用います。

参考文献

編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)

※ この漢方薬は桃華堂では取り扱いのない商品です。

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