荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

組成

柴胡(さいこ)・黄芩(おうごん)黄連(おうれん)・当帰(とうき)・荊芥(けいがい)・連翹(れんぎょう)・防風(ぼうふう)・白芷(びゃくし)・熟地黄(じゅくじおう)・白芍(びゃくしゃく)・黄柏(おうばく)・山梔子(さんしし)・薄荷(はっか)・桔梗(ききょう)・川芎(せんきゅう)・枳殻(きこく)甘草(かんぞう)

効果

蓄膿症、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび

効能

清熱解毒・祛風排膿・養血

主治

風熱毒邪が肝胆三焦にびまんし、遷延して耗血をともなった状態

方意

「万病回春(まんびょうかいしゅん)」の荊芥連翹湯の加味方です。

清熱解毒の代表薬である黄連解毒湯(おうれんげどくとう)と、補血・活血の四物湯(しもつとう)を組み合わせ、さらに解表と膿を排出する能力を加えています。

一貫堂流のいわゆる解毒証体質または腺病性体質を改善する薬方で、幼年期の柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)証が青年期になり荊芥連翹湯証になりますが、青年期にこだわる必要はありません。

診断のポイントは皮膚が浅黒い・筋肉質・腹直筋の緊張・患部が化膿しやすい・手掌や足蹠の脂汗などです。

清熱解毒の薬が熱を取り、補血と喀血の薬は体を温めるという一見矛盾した組み合わせが特徴です。血液の状態(量や循環)が悪いために老廃物の除去がうまくいかず、毒素が溜まって炎症が生じている状態を根本から改善します。

種々の解表剤はかゆみを抑えたり、こもった毒素を外部に排泄することで、皮膚症状を改善させます。特に、鼻・耳・扁桃腺など上半身に炎症を生じやすく(皮膚粘膜が敏感)、新陳代謝が悪く、熱がこもりがちなせいでニキビや吹き出物が増えるタイプに有効です。

臨床的には慢性扁桃炎・アレルギー性鼻炎・慢性副鼻腔炎・アトピー性皮膚炎などに効奏します。

類方鑑別

葛根湯(かっこんとう)
比較的体力のある方で、顔面・耳・上気道などに急性の炎症があり、項背部のこりを訴える場合に用います。

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
葛根湯を用いるべき症状が慢性に移行した場合に用います。

小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう):
体力中等度の方で、季肋部に抵抗・圧痛を訴え(胸脇苦満)、扁桃などに炎症のある場合に用います。

柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)
比較的虚弱な小児で、神経質でいらいらして怒りっぽく、リンパ節や扁桃などが腫れやすい場合に用います。

参考文献

編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)