清肺湯(せいはいとう)

組成

黄芩(おうごん)・山梔子(さんしし)・天門冬(てんもんどう)・麦門冬(ばくもんどう)・五味子(ごみし)・当帰(とうき)・竹筎(ちくじょ)・貝母(ばいも)・杏仁(きょうにん)桔梗(ききょう)・桑白皮(そうはくひ)・陳皮(ちんぴ)・茯苓(ぶくりょう)・生姜(しょうきょう)・大棗(たいそう)・甘草(かんぞう)

効果

体力中等度で、せきが続き、たんが多くて切れにくいものの次の諸症:
たんの多く出るせき、気管支炎

効能

清肺養陰・理気化痰

主治

肺失清粛・痰邪阻肺・化熱傷陰

方意

肺に熱があり粘稠な痰が咽にからんで喀痰できず、そのために激しい咳が続くような時に用いられます。さまざまな原因で生じた痰が肺を阻滞し、長期にわたって化熱傷陰した状態であると考えられます。

診断のポイントは、粘っこい痰がからむ・激しい咳・肺熱などです。

清肺湯の働きは胸中の熱を冷ますのが主で、次が潤肺、祛痰、鎮咳であり、潤血、利尿、消化促進は補助的です。本治は清熱滋陰、標治は止咳祛痰です。

清肺湯を構成している薬味は複雑でこみ入っており、君臣佐使は決め難いです。原典である「万病回春(まんびょうかいしゅん)」には竹筎は配合されておらず、15味の構成になっています。竹筎を加えることで清化熱痰の効能を強めています。

痰が多い脾虚の湿痰に対しては、白朮(びゃくじゅつ)などを加えて健脾消痰を強めるとともに、脾を損傷する恐れのある黄芩・杏仁・桔梗を除く必要があります。

類方鑑別

麦門冬湯(ばくもんどうとう)
大逆上気、咽喉不利で、咽喉の乾燥感と発作性の咳に用います。腎陰虚による肺熱があります。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
咳嗽が著しく、痰は稀薄で切れやすいです。

麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう):
実証で、喘鳴と咳が主症状です。口渇、発汗があります。

五虎湯(ごことう)
痰は清肺湯と同じ性質ですが、咳が著しいです。口渇、発汗があります。

滋陰降火湯(じいんこうかとう)
陰虚証で、肺腎陰虚による陰虚火旺に用います。粘痰、咳と共に火照りがあり、皮膚の乾燥、便秘があります。

参考文献

編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)