金桜子(きんおうし)

金桜子

基原

バラ科RosaceaeのナニワイバラRosa laevigata Michauxの成熟果実

性味

酸・渋、平

帰経

腎・膀胱・大腸

効能・効果

①固精縮尿・止帯
②渋腸止瀉

主な漢方薬

水陸二仙丹(すいりくにせんたん)

特徴

ナニワイバラは中国原産のバラ科のつる性常緑低木で、原種のバラのひとつです。日本には江戸時代に難波商人により持ち込まれ販売されたことから、ナニワイバラという名前がつけられました。現在では近畿地方から九州にかけて野生化しています。蔓は長く伸びれば10メートルにも達し、広いスペースに植えるのに向いているため、生垣などに利用されています。香りのよい大きな白い花を咲かせ、真ん中には黄色い雄しべがたくさんあります。

ナニワイバラの成熟果実を「金桜子」と呼び、その根は「金桜根(きんおうこん)」、葉は「金桜葉(きんおうよう)」、花は「金桜花(きんおうか)」と呼ばれています。金桜子には下痢や尿もれを止める働きがあり、金桜根や金桜花にも同様の効果があります。金桜葉は腫れ物や潰瘍に汁を外用として用いられていました。

金桜子の同類生薬に、ノイバラの偽果または果実を使用する営実(えいじつ)があります。ノイバラも日本に自生する野生のバラであり、使用部位も似ていますが、効能は瀉下作用であり金桜子とは真逆の働きをします。現在日本・中国共にあまり使われることはありません。金桜子の果実は紡錘形で大型なので、球形で小型の営実とは簡単に区別できます。

漏れ出るものを引き締める収渋薬(しゅうじゅうやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に山茱萸(さんしゅゆ)、五味子(ごみし)、烏梅(うばい)烏賊骨(うぞくこつ)、蓮子肉(れんしにく)、訶子(かし)などがあります。

腎虚による遺精、遺尿などに用いられます。代表的な漢方薬に芡実(けんじつ)と一緒に配合された水陸二仙丹(すいりくにせんたん)があります。

脾虚による慢性の下痢に用いられます。単味を煎じるか、党参(とうじん)、白朮(びゃくじゅつ)、山薬(さんやく)などを配合して用います。