ST15. 屋翳(おくえい)

  所属する経脈

足の陽明胃経(ようめい いけい)

 名前の由来

屋翳(おくえい)の『屋』は「屋根」のこと、『翳』は羽でできた大きな「扇子」や長柄の「傘」のことです。

屋翳の下にある膺窓(ようそう)を窓に見立てると、このツボは屋根やひさしに相当することから、屋翳と名付けられました。

 位置

前胸部、第2肋間、前正中線の外方4寸。

乳首から真上に行ったところ、第2肋骨と第3肋骨の間(=第2肋間)に屋翳はあります。

この第2肋間の高さには複数のツボが横に並んでいて、体の正面から外に向かって順に、紫宮(しきゅう)神蔵(しんぞう)屋翳周栄(しゅうえい)が存在しています。

また、乳首を通る縦のラインには足の陽明胃経のツボが垂直に並んでいて、上から順に、欠盆(けつぼん)気戸(きこ)庫房(こぼう)屋翳膺窓(ようそう)乳中(にゅうちゅう)乳根(にゅうこん)と続いています。

 主治・効能

胸部に関係する症状

咳嗽(せき)気管支喘息(ぜんそく)息切れ喀血(かっけつ)胸の痛み・つかえ胸膜炎肋間神経痛

屋翳は胸部にあるため、肺に関係する症状や胸部の痛みなどに効果があります。

 局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 大胸筋 → 小胸筋 → 外肋間筋 → 内肋間筋 → 最内肋間筋 → 胸膜 → 肺

関係する筋肉

  • 大胸筋
  • 小胸筋
  • 外肋間筋
  • 内肋間筋
  • 最内肋間筋

関係する動脈・静脈

  • 胸肩峰動脈・静脈
  • 外側胸動脈・静脈
  • 肋間動脈・静脈

関係する神経

  • 外側胸筋神経
  • 内側胸筋神経
  • 肋間神経

 参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)

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