独活葛根湯(どっかつかっこんとう)
組成
葛根(かっこん)・桂枝(けいし)・麻黄(まおう)・生姜(しょうきょう)・白芍(びゃくしゃく)・甘草(かんぞう)・大棗(たいそう)・独活(どっかつ)・地黄(じおう)
効果
体力中等度又はやや虚弱なものの次の諸症:
四十肩、五十肩、肩こり、寝ちがえ
方意
独活葛根湯は葛根湯(かっこんとう)に祛風作用の独活と補血作用の地黄を加えた処方です。肩や首の痛みによく用いられます。
外邪(風湿邪・風寒邪)が侵襲して経絡に入り込むと、そこで気血の巡りが阻害され、痛みを引き起こします。独活の祛風作用が経絡に入り込んだ外邪を取り除くことで痛みを改善します。祛風作用を持つ生薬は、独活以外にも秦艽(じんぎょう)・威霊仙(いれいせん)・防風(ぼうふう)・羌活(きょうかつ)・荊芥(けいがい)・白芷(びゃくし)などがあります。
葛根湯も肩や首の痛みに用いられますが、独活をプラスすることで痛みに対する効果がさらに高くなっています。また、補血作用のある地黄を配合することで、血虚による筋肉のこわばり・痙攣やそれに伴う痛みを改善します。
独活葛根湯の麻黄の配合量は葛根湯よりも少なくなっています。肩こりに葛根湯を使う場合、麻黄の量が気になって長期間にわたって使うのに抵抗がありますが、独活葛根湯は麻黄の配合量が少ないため長期間服用しやすくなっています。
項から背中にかけてのこりには葛根湯や独活葛根湯などの葛根湯類を用います。首筋から肩にかけて広くこりがあり、ストレスで悪化する場合は柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)や加味逍遙散(かみしょうようさん)などの柴胡剤を用います。慢性的な肩こりがあり、昼間より夜間に症状が悪化し、冷えのぼせを伴う場合は桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や桃核承気湯(とうかくじょうきとう)などの駆瘀血剤を用います。
麻黄・地黄が配合されているため、胃腸虚弱の方に用いる場合は注意が必要です。
類方鑑別
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう):
体力がなく、手足が冷え、貧血の方の五十肩に用います。
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう):
体力がなく、胸脇苦満があり、首の横側から両肩にかけてこる方に用います。
加味逍遙散(かみしょうようさん):
頭が重く、のぼせ・めまいなどのある方の肩こりに用います。
桃核承気湯(とうかくじょうきとう):
のぼせ症で元気があり、体格よく便秘がちで、左下腹部にひきつりのある肩こりに用います。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):
桃核承気湯と似ていますが、便秘のない方に用います。五十肩にも有効です。
参考文献
編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)
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