羌活(きょうかつ)

羌活

基原

セリ科UmbelliferaeのNotopterygium incisum Ting et H.T.Changまたは N. forbesii Boissの根および根茎

性味

辛・苦、温

帰経

膀胱・肝・腎

効能・効果

①散寒燥湿解表
②祛風湿・止痛

主な漢方薬

川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
大防風湯(だいぼうふうとう)
荊防敗毒散(けいぼうはいどくさん)
清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう)

特徴

羌活は2007年の日本薬局方の改正に伴い新収載された生薬です。

充実して香気の強いものが良品とされています。

羌活はもともと「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」で独活(どっかつ)の別名として記載されていました。始めは同一の生薬であるとされていいたようですが、現在では別々の基原植物をもつ別個の生薬であるとされています。日本薬局方では羌活はセリ科の植物、独活はウコギ科のウドが基原と規定されています。中国と日本では基原とする植物が違っており、中国ではセリ科の重歯毛当帰の根を独活と規定していますが、セリ科のシシウドの根を香独活、ウコギ科のウドを九眼独活と称して流通しており、異物同名品が多く存在します。まったく別の植物であるにも関わらず、似たような効能を持ち、同名または類似名の生薬として扱われ混同されてしまっているのが現状です。効能は似ていますが、羌活は体表面や上半身の気の流れを、独活は下半身の気の流れをよくする特徴があります。両方を併用して用いられることもよくあります。

辛温の薬で温め風寒の邪を体表から発散させる辛温解表薬(しんおんげひょうやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に麻黄(まおう)、桂枝(けいし)蘇葉(そよう)荊芥(けいがい)、防風(ぼうふう)、細辛(さいしん)辛夷(しんい)生姜(しょうきょう)などがあります。

風寒邪による頭痛・悪寒に防風や川芎(せんきゅう)などと一緒に用いられます。代表的な漢方薬に川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)や荊防敗毒散(けいぼうはいどくさん)があります。

風寒・風湿による関節痛などに用いられ、代表的な漢方薬に威霊仙(いれいせん)と一緒に配合された疎経活血湯(そけいかっけつとう)があります。

※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。

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