茵蔯蒿(いんちんこう)

茵陳蒿

基原

キク科Compositaeのカワラヨモギ Artemisia capillaris Thunb.の頭花

性味

苦、微寒

帰経

脾・胃・肝・胆

効能・効果

①清熱除湿
②退黄

主な漢方薬

茵陳蒿湯(いんちんこうとう)
茵陳五苓散(いんちんごれいさん)

特徴

茵陳蒿の元となるカワラヨモギは名前の通りヨモギの仲間ですが、どこにでも生えているヨモギとは違います。「河原に生えているヨモギ」からカワラヨモギという名前がついており、河原やあまり荒らされていない海岸の砂地などに生えています。カワラヨモギの茎は2種類あり、冬になると茎の一部がそのまま残って春になるとそこから新しい芽が出てきます。これが茵陳蒿の名前の由来になっており、「古い(蔯=ちん)株が元(茵=いん)になってヨモギ(蒿=こう)が育つ」という意味が込められています。

茵蔯蒿は日本と中国では使用部位が異なります。中国では春に採取した幼苗を綿茵蔯(めんいんちん)といい、秋に採取した花穂を茵蔯蒿と呼んでいます。呼び分けはされていますが、使い方はほぼ同じです。日本ではほとんど頭花を使用しており、これを茵蔯蒿と呼んでいます。

水の巡りを改善する利水滲湿薬(りすいしんしつやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に茯苓(ぶくりょう)、猪苓(ちょれい)、沢瀉(たくしゃ)、車前子(しゃぜんし)、防已(ぼうい)、薏苡仁(よくいにん)、木通(もくつう)、滑石(かっせき)、金銭草(きんせんそう)があります。

茵陳蒿の働きは何といっても黄疸の治療です。胆汁の分泌・排泄を促進し、急性黄疸型肝炎・胆のう炎などによる黄疸を治療します。茵蔯蒿が含まれている茵陳蒿湯(いんちんこうとう)や茵陳五苓散(いんちんごれいさん)は、黄疸治療の代表処方です。

近年では茵陳蒿の抗アレルギー作用が注目され、蕁麻疹などの治療に茵蔯蒿湯や茵蔯五苓散が用いられています。

柴胡(さいこ)を使いたいが、柴胡による乾燥が気になるときに代用として使えます。