加味平胃散(かみへいいさん)

組成

蒼朮(そうじゅつ)・厚朴(こうぼく)・陳皮(ちんぴ)・生姜(しょうきょう)・大棗(たいそう)・甘草(かんぞう)神麹(しんきく)・麦芽(ばくが)・山査子(さんざし)

効果

体力中等度で、胃がもたれて食欲がなく、ときに胸やけがあるものの次の諸症:
消化不良、腹部膨満感、食欲不振、胃腸虚弱、急・慢性胃炎

方意

加味平胃散は平胃散(へいいさん)に神麹・麦芽・山査子を加えた処方です。平胃散は脾胃の湿を除く処方で、これに消化を助ける生薬を加えています。

加味平胃散の原典は「医方考(いほうこう)」で、「年刊・呉崑(ごこん)の著)で、「宿食化さず、呑酸呃臭し、右関脈滑のもの、この方之を主る」と記載されています。これは、「食物の停滞が消えず、酸っぱい水が上がってきたり、臭いを伴うしゃっくりがあったり、右の関脈が滑脈であるものを主治する」という意味です。原典の「医方考」には山査子は配合されていませんが、その後の書物には山査子が配合されており、比較的早い段階から山査子を加えるようになったようです。

神麹・麦芽・山査子はいずれも消導薬と呼ばれる生薬で、消化を促進し飲食物の停滞を解消する働きがあります。神麹・麦芽は穀類、山査子は肉類による食滞を改善すると考えられています。

平素は胃腸に問題はありませんが、食べ過ぎ・飲み過ぎなどによって脾胃に湿も食物も停滞してしまった場合に適しています。

類方鑑別

香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)
胃腸が弱く、抑うつ傾向があり、食欲不振・みぞおちの痞え・悪心・嘔吐に用います。

補気建中湯(ほきけんちゅうとう):
食欲不振で疲れやすく、小便不利で腹水・浮腫がある方に用います。

参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)
胃腸虚弱があり疲れやすく、食欲不振・下痢などの症状に用います。

参考文献

編著者: 神戸中医学研究会 / [新装版]中医臨床のための方剤学 / 東洋学術出版社 (2012)
編著者: 髙山宏世 / 腹証図解 漢方常用処方解説 / 日本漢方振興会 (1988)
著者: 杉山卓也 / 現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 / 日経印刷 株式会社 (2018)

※ この漢方薬は桃華堂では取り扱いのない商品です。

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