山査子(さんざし)

基原

バラ科RosaceaeのミサンザCrataegus pinnatifida Bunge var. major N. E. BrownやサンザシCrataegus cuneata Siebold et Zuccariniの成熟果実

性味

酸・甘、微温

帰経

脾・胃・肝

効能・効果

①消食化積
②止痢
③破気化瘀
④消脹散結

主な漢方薬

加味平胃散(かみへいいさん)
啓脾湯(けいひとう)
保和丸(ほわがん)

特徴

サンザシはバラ科の落葉低木で、別名ではサモモと呼ばれます。中国原産の植物で、日本には江戸時代中期に導入されました。古くから民間薬や食用として重宝されていました。ヨーロッパ原産のセイヨウサンザシというものもあり、ヨーロッパではメイフラワーという名称で親しまれ、街路樹や庭木として栽培されています。

生食では酸味が強いため、山査子酒や山査子ジュース、お菓子やドライフルーツとなどに加工されます。ドライフルーツは果実をつぶして、砂糖や寒天などと混ぜ、棒状に成形してからスライスした「山査子餅(シャンジャーズビン)」が一般的です。山査子を串刺しにして飴でコーティングした「氷糖葫蘆(ピンタンフーロー)」というりんご飴に似たお菓子もあります。世界三大美女の一人である楊貴妃(ようきひ)が食していたと伝えられており、現在では美容目的で人気が高まっています。

サンザシを南山査、オオミサンザシを北山査として区別しています。日本では果実が大きなオオミサンザシの果実が主に流通しています。中医学ではこの2つを使い分けることはなく、消導薬(消化薬)として飲食の積滞を解消する生薬として用いられます。

大粒で赤色を呈しているものが良品とされています。

成熟果実を乾燥したものを山査子と呼び、種子を除いたものを山査肉(さんざにく)と呼びます。

胃腸を動かして飲食の積滞を解消する消導薬(しょうどうやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に鶏内金(けいないきん)、神麹(しんきく)、萊菔子(らいふくし)、麦芽(ばくが)などがあります。

山査子と鶏内金はかなり強い消食の効能を持ちます。山査子は特にお肉の食積によく、鶏内金はすべての飲食積滞に対応します。山査子を用いた代表的な食積改善薬に、保和丸(ほわがん)があります。保和丸では山査子が主薬として用いられており、全体の1/3以上の量が配合されています。

細菌性の下痢には、炒炭した山査子を沖服します。

産後瘀阻による腹痛・悪露の停滞あるいは血瘀の月経痛などに、当帰(とうき)や川芎(せんきゅう)と一緒に用いられます。

炒用すると消食に、炒炭すると止痢・化瘀に、生用すると透疹にそれぞれ働きます。

※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。

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