菊花(きくか)

菊花

基原

キク科Compositaeのキク Chrysanthemum morifolium Ramatulleの頭花(日本ではシマカンギクChrysanthemum indicum Linnéを使用した野菊花も含む)

性味

甘・微苦、微寒

帰経

肺・肝

効能・効果

①疏散風熱
②明目
③平肝陽

主な漢方薬

杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
釣藤散(ちょうとうさん)
清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう)
桑菊飲(そうぎくいん)

特徴

キク科は世界に2万種以上分布しており、園芸用などで人々に愛されている植物です。中国では2000年以上前から薬用として栽培され、日本でも古くより栽培されていました。50円玉硬貨やパスポートの表紙、皇室の紋章としても用いられており、桜とともに日本の国花とされています。観賞用以外にも、食用菊や菊酒、生薬として利用されています。五節句の一つである重陽の節句は菊の節句とも呼ばれ、無病息災を祈り菊の花が飾られます。

キク科の花は多数の花が集まって一つの花に見えており、これを頭花(とうか)と言います。外側の花びら状のものを舌状花(ぜつじょうか)、中心にある黄色の花を筒状花(とうじょうか)と言います。

品種によって効能がやや異なり、黄菊花・白菊花・野菊花(のぎくか)などがあります。黄菊花は杭菊花(こうきくか)とも言い、味が苦く、熱を発散させるのに優れています。白菊花は味が甘く、熱を冷ますのに優れ、目の充血や痛みによく適応します。野菊花はシマカンギクを基原とする生薬で、この2つとは性質が異なり清熱解毒作用に優れています。日本では野菊花が菊花として扱われていますが、中国では菊花と野菊花は別の生薬として扱われています。シマカンギクの花は一重で、キクよりも小さく苦いことが特徴です。代表的な漢方薬に金銀花(きんぎんか)や蒲公英(ほこうえい)と一緒に配合された五味消毒飲(ごみしょうどくいん)があります。

辛涼の薬で冷まし、風熱の邪を体表から発散させる辛涼解表薬(しんりょうげひょうやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に薄荷(はっか)、牛蒡子(ごぼうし)、桑葉(そうよう)、葛根(かっこん)、蔓荊子(まんけいし)、柴胡(さいこ)升麻(しょうま)などがあります。

炎症を鎮め、熱を下げる作用があり、発熱・頭痛・咳嗽・喉の痛みなどに用いられます。代表的な漢方薬は、薄荷や連翹(れんぎょう)と一緒に配合された桑菊飲(そうぎくいん)です。

目や頭部の内風(ないふう)や肝火を鎮め、潤す働きがあります。目の充血・眼痛・かすみ目・視力減退などに用いられます。代表的な漢方薬に、熟地黄(じゅくじおう)枸杞子(くこし)と一緒に配合された杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)があります。

肝陽上亢(かんようじょうこう)によるめまい・ふらつき・頭痛などの症状に用いられます。代表的な漢方薬に、釣藤鈎(ちょうとうこう)や防風(ぼうふう)と一緒に配合された釣藤散(ちょうとうさん)があります。

※ 桃華堂では生薬単体の販売はしておりません。

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