ST18. 乳根(にゅうこん)
所属する経脈
足の陽明胃経(ようめい いけい)
別名・別表記
別名:薛息(せっそく)
名前の由来
このツボは乳房の根元に位置しているため、乳根(にゅうこん)と名付けられました。
位置
前胸部、第5肋間、前正中線の外方4寸。
乳首から真上に行ったところ、第5肋骨と第6肋骨の間(=第5肋間)に乳根はあります。
この第5肋間の高さには複数のツボが横に並んでいて、体の正面から外に向かって順に、中庭(ちゅうてい)、歩廊(ほろう)、乳根、食竇(しょくとく)が存在しています。
また、乳首を通る縦のラインには足の陽明胃経のツボが垂直に並んでいて、上から順に、欠盆(けつぼん)、気戸(きこ)、庫房(こぼう)、屋翳(おくえい)、膺窓(ようそう)、乳中(にゅうちゅう)、乳根と続いています。
主治・効能
胸部に関係する症状
乳腺炎、胸の痛み・乳腺炎、乳汁分泌不全、胸の痛み・つかえ、咳嗽(せき)、気管支喘息(ぜんそく)、息切れ、吃逆(しゃっくり)、喀血(かっけつ)、胸膜炎、肋間神経痛
乳根は胸部にあるため、肺に関係する症状や胸部の痛みなどに効果があります。
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 大胸筋 → 外腹斜筋 → 外肋間筋 → 内肋間筋 → 最内肋間筋 → 胸膜 → 肺
関係する筋肉
- 大胸筋
- 外腹斜筋
- 外肋間筋
- 内肋間筋
- 最内肋間筋
関係する動脈・静脈
- 胸肩峰動脈・静脈
- 外側胸動脈・静脈
- 肋間動脈・静脈
関係する神経
- 外側胸筋神経
- 内側胸筋神経
- 肋間神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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