ST16. 膺窓(ようそう)
所属する経脈
足の陽明胃経(ようめい いけい)
名前の由来
膺窓(ようそう)の『膺』は「胸」のこと、『窓』はそのまま「窓」を意味しています。
このツボは胸にあり、気を通す窓であることを例えて膺窓と名付けられました。
位置
前胸部、第3肋間、前正中線の外方4寸。
乳首から真上に行ったところ、第3肋骨と第4肋骨の間(=第3肋間)に膺窓はあります。
この第3肋間の高さには複数のツボが横に並んでいて、体の正面から外に向かって順に、玉堂(ぎょくどう)、霊墟(れいきょ)、膺窓、胸郷(きょうきょう)が存在しています。
また、乳首を通る縦のラインには足の陽明胃経のツボが垂直に並んでいて、上から順に、欠盆(けつぼん)、気戸(きこ)、庫房(こぼう)、屋翳(おくえい)、膺窓、乳中(にゅうちゅう)、乳根(にゅうこん)と続いています。
主治・効能
胸部に関係する症状
乳腺炎、胸の痛み・つかえ、胸膜炎、肋間神経痛、息切れ、咳嗽(せき)、気管支喘息(ぜんそく)
膺窓は胸部にあるため、肺に関係する症状や胸部の痛みなどに効果があります。
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 大胸筋 → 小胸筋 → 外肋間筋 → 内肋間筋 → 最内肋間筋 → 胸膜 → 肺
関係する筋肉
- 大胸筋
- 小胸筋
- 外肋間筋
- 内肋間筋
- 最内肋間筋
関係する動脈・静脈
- 胸肩峰動脈・静脈
- 外側胸動脈・静脈
- 肋間動脈・静脈
関係する神経
- 外側胸筋神経
- 内側胸筋神経
- 肋間神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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