ST17. 乳中(にゅうちゅう)

  所属する経脈

足の陽明胃経(ようめい いけい)

 名前の由来

このツボは乳首の中央に位置していることから乳中(にゅうちゅう)と名付けられました。

 位置

前胸部、乳頭中央。

乳首の中央に乳中があります。

乳中を通る縦のラインには足の陽明胃経のツボが垂直に並んでいるため、乳中はそれらのツボを探す際の基準となります。

乳中の上方には欠盆(けつぼん)気戸(きこ)庫房(こぼう)屋翳(おくえい)膺窓(ようそう)が、下方には乳根(にゅうこん)が位置しています。

男性の場合、乳首は第4肋骨と第5肋骨の間(=第4肋間)に位置しています。

この第4肋間の高さには複数のツボが横に並んでいて、体の正面から外に向かって順に、膻中(だんちゅう)神封(しんぽう)乳中天池(てんち)天渓(てんけい)輒筋(ちょうきん)淵腋(えんえき)が存在しています。

 主治・効能

胸部に関係する症状

乳腺炎乳汁分泌不全

乳中は乳首に位置しているため、乳腺炎や母乳の出が良くないときに使われることがあります。

ただし、このツボへの鍼や灸は原則として禁止されているため、刺激する場合は乳房マッサージが基本となります。

 局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 大胸筋 → 小胸筋 → 外肋間筋 → 内肋間筋 → 最内肋間筋 → 胸膜 → 肺

関係する筋肉

  • 大胸筋
  • 小胸筋
  • 外肋間筋
  • 内肋間筋
  • 最内肋間筋

関係する動脈・静脈

  • 胸肩峰動脈・静脈
  • 外側胸動脈・静脈
  • 肋間動脈・静脈

関係する神経

  • 外側胸筋神経
  • 内側胸筋神経
  • 肋間神経

 参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)

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