鶏血藤(けいけっとう)

鶏血藤

基原

マメ科Leguminosaeの Spatholobus suberectus Dunn.、同科のナツフジ属植物Millettia dielsiana Harmsなどの蔓茎

性味

苦・微甘、温

帰経

肝・腎

効能・効果

①活血補血
②舒筋通絡

特徴

鶏血藤の基原植物のひとつであるムラサキナツフジは、マメ科のつる性植物で、中国の南部、台湾に分布し、沖縄県では観賞用として栽培されています。ムラサキナツフジ以外にも、地域によって属が異なる様々な基原植物に由来する鶏血藤が流通しています。

茎を切断すると鶏の血のように赤い汁が流れることから、鶏血藤という名前で呼ばれるようになったと言われています。基原植物が異なっていても、切断すると赤い汁が出ることは全ての鶏血藤に共通しています。広東・広西・甘粛省ではムラサキナツフジ(昆明鶏血藤)、広東・広西・雲南省では蜜花豆、広東・広西・雲南省では白花油麻藤、江西・四川省では香花岩豆藤(豊城鶏血藤)に由来するものが使用されています。

日本では珍しいですが、中国では血を補い、血流をよくする生薬としてよく使われています。月経異常や生理痛、貧血性の生理不順、筋骨の麻痺、膝腰の痛みなどに用いられます。

鶏血藤を煮詰めて濃縮したものは鶏血藤膠(けいけっとうきょう)と呼ばれます。鶏血藤膠の効能は鶏血藤とほぼ同じですが、鶏血藤よりも滋養作用や、痛みを緩和する働きが優れているといわれています。

鶏血藤膏は、鶏血藤と南五味子(なんごみし)、糯米(もちごめ)、麦芽(ばくが)、紅花(こうか)、続断(ぞくだん)、牛膝(ごしつ)、黒豆などを加工したものです。効能は鶏血藤と同じですが、補う力が強く、血を補い、筋肉や骨を強くします。一般に6~9gをお酒かお湯に溶かして服用します。

瘀血(おけつ:血流が悪い状態)を改善する活血化瘀薬(かっけつかおやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に川芎(せんきゅう)、鬱金(うこん)、蘇木(そぼく)、降香(こうこう)、丹参(たんじん)、桃仁(とうにん)、紅花、牛膝、水蛭(すいてつ)、延胡索(えんごさく)などがあります。

血液不足による月経不順・月経痛・無月経に、当帰(とうき)や熟地黄(じゅくじおう)などと一緒に用いられます。

風湿による疼痛・しびれ・関節痛・打撲痛などに用いられます。虚弱な老人や女性の慢性の慢性痛に適しています。

研究の結果、白血球を増やす働きが見つかり、中国では再生不良性貧血や放射線治療による白血球減少に応用され、がん治療のサポートとして使われることがあります。

鶏血藤の薬性はおだやかで、2~3ヶ月連続で服用しても一般に副作用は見られません。虚弱な体質の方にも安心して用いることができます。