ST13. 気戸(きこ)
所属する経脈
足の陽明胃経(ようめい いけい)
名前の由来
気戸(きこ)の『気』は「空気」や「大気」のこと、『戸』は「門戸」を意味しています。
このツボは肺の上部に位置しており、空気の出入りする門戸という意味をこめて気戸と名付けられました。
位置
前胸部、鎖骨下縁、前正中線の外方4寸。
鎖骨の下縁で、ちょうど乳首の真上にあたる位置に気戸はあります。
この鎖骨下縁の高さには複数のツボが横に並んでいて、体の正面から外に向かって順に、璇璣(せんき)、兪府(ゆふ)、気戸、雲門(うんもん)が位置しています。
また、乳首を通る縦のラインには足の陽明胃経のツボが垂直に並んでいて、上から順に、欠盆(けつぼん)、気戸、庫房(こぼう)、屋翳(おくえい)、膺窓(ようそう)、乳中(にゅうちゅう)、乳根(にゅうこん)と続いています。
主治・効能
呼吸器系の症状
咳嗽(せき)、気管支喘息(ぜんそく)、胸のつかえ、胸の痛み、のどの腫れ・痛み、吃逆(しゃっくり)
気戸は肺やのどの近くにあるため、呼吸器系の症状に効果を示します。
局所解剖
皮膚 → 皮下組織 → 大胸筋
関係する筋肉
- 大胸筋
- 鎖骨下筋
関係する動脈・静脈
- 鎖骨下動脈・静脈
- 胸肩峰動脈・静脈
- 外頸静脈
関係する神経
- 鎖骨上神経(頸神経叢の枝)
- 鎖骨下筋神経
参考文献
著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(1997)
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社(2009)
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~ / 医道の日本社 (2012)
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