LU2. 雲門（うんもん）

　 所属する経脈

手の太陰肺経（たいいん はいけい）

　別名・別表記

別表記：云門（うんもん）

　名前の由来

雲門（うんもん）の『雲』は肺の気を霧に例えたもので、『門』はその気が出てくる門を意味します。

体内で肺の気が霧のように出てくる門ということから雲門と名付けられました。

ちなみに、別表記の『云』は「雲が立ち上がる」様子を表した象形文字です。

　位置

鎖骨の下を肩に向かって触っていくと、指が止まるくぼみに雲門があります。

中府（ちゅうふ）の1寸上（親指1本分上がったところ）に位置し、また、鎖骨の下には璇璣（せんき）、兪府（ゆふ）、気戸（きこ）、雲門が体の中心から順に並んでいます。

　主治・効能

呼吸器系の症状

咳嗽（せき）、気管支喘息、のどの腫れ・痛み、胸の痛み

手の太陰肺経に属するツボのため、上記のような呼吸器の症状に用いられます。

整形外科領域の症状

肩こり、肩の痛み、肩関節周囲炎（五十肩）、胸郭出口症候群、肋間神経痛

主に、手の太陰肺経の走行部位と関係のある症状に対して効果があります。

その他

手足の冷え

　局所解剖

皮膚 → 皮下組織 → 三角筋 → 烏口鎖骨靭帯

関係する筋肉

• 三角筋

関係する動脈・静脈

• 胸肩峰動脈・静脈
• 腋窩動脈（拍動部）
• 橈側皮静脈

関係する神経

• 鎖骨上神経

　参考文献

著者: 長濱善夫 / 東洋医学概説 / 創元社 (1961)
編著者: 南京中医学院 / 訳編者: 中医学概論邦訳委員会 / 中国漢方医学概論 / 中国漢方医学書刊行会 (1965)
編集: 天津中医学院, 学校法人後藤学園 / 監訳: 兵藤明 / 翻訳: 学校法人後藤学園中医学研究室 / 針灸学[経穴篇] / 東洋学術出版社 (1997)
著者: 劉燕池, 宋天彬, 張瑞馥, 董連栄 / 監訳: 浅川要 / [詳解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（1997）
著者: James H. Clay, David M. Pounds / 監訳者: 大谷素明 / クリニカルマッサージ ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック / 医道の日本社 (2004)
著者: 滝沢健司 / [図表解]中医基礎理論 / 東洋学術出版社（2009）
監修: 形井秀一, 髙橋研一 / 著者: 坂元大海, 原島広至 / ツボ単 / エヌ・ティー・エス (2011)
著者: Andrew Biel / 監訳: 阪本桂造 / ボディ・ナビゲーション ～触ってわかる身体解剖～ / 医道の日本社 (2012)