石決明(せっけつめい)
基原
ミミガイ科Haliotidaeのアワビ類Haliotis spp.の貝殻
性味
鹹、微寒
帰経
肝・肺
効能・効果
①平肝潜陽
②退翳明目
主な漢方薬
石決明散(せっけつめいさん)
亀板湯(きばんとう)
特徴
石決明はアワビやトコブシなどの貝殻を洗浄・乾燥したものです。日本の北海道南部から九州の潮間帯付近から水深20m程度の岩礁に生息し、ワカメやコンブなどの海藻を食べています。吸着力が強く、一度岩などにくっつくと簡単には剥がれません。アワビはミミガイ科の大型の巻貝の総称で、通常の巻き貝とは異なり耳形もしくは楕円形の浅い皿形になります。トコブシはアワビの一種であり、形はアワビより小さいですが、アワビの呼吸孔は4-5個なのに対し、トコブシでは6-8個の穴が開いています。
アワビは古くから食用とされており、縄文時代の貝塚からも出土しています。貝殻部分は装身具としても利用されていました。アワビの肉を薄く削いで乾かし、干して琥珀色の生乾きになったところで竹筒など円筒形のもので伸ばしたものを「のしアワビ」と言います。のしアワビは縁起物として伊勢神宮でも供物として利用されていました。現代ではご祝儀などで使う袋を「のし袋」と言って、干しアワビを印刷や紙で模したものが使われています。
石決明は「名医別録(めいいべつろく)」に収載された生薬で、目の病に対する重要な薬であり、緑内障、白内障などによる視力障害、結膜炎などに応用されていました。
肝経に入って内風を平熄して平定する平肝熄風薬(へいかんそくふうやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に天麻(てんま)、釣藤鈎(ちょうとうこう)、蒺藜子(しつりし)、羚羊角(れいようかく)、白僵蚕(びゃくきょうさん)、地竜(じりゅう)などがあります。
石決明の瀉肝火の効能は羚羊角には及びませんが、補肝陰にも働き平肝潜陽明目の要薬です。肝熱風動の驚風抽搐には、大量の石決明で羚羊角の代用としたり、羚羊角と同時に用いて効果を増強したりします。
肝陽上亢の眩暈に、菊花(きくか)、枸杞子(くこし)、生地黄(しょうじおう)、女貞子(じょていし)などと一緒に用いられます。熱極生風(肝熱風動)の痙攣に、釣藤鈎、夏枯草(かごそう)、菊花などと一緒に使用します。
肝火による目の充血・腫脹・疼痛や角膜混濁・羞明などに、菊花・桑葉(そうよう)などと一緒に用いられます。代表的な漢方薬に、石決明散(せっけつめいさん)があります。肝腎陰虚による視力減退には、熟地黄(じゅくじおう)、山茱萸(さんしゅゆ)などと一緒に使用します。
清虚熱にも働くので、陰虚の骨蒸労熱に、地骨皮(じこっぴ)、青蒿(せいこう)、知母(ちも)などと一緒に用いられます。
湯剤には先煎します。
鹹寒で脾胃を損傷するので、脾胃虚寒の方には禁忌となっています。
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