夏枯草(かごそう)

夏枯草

基原

シソ科 Labiataeのウツボグサ Prunella vulgaris var. lilacina Nakaiの花穂

性味

辛・苦、寒

帰経

肝・胆

効能・効果

①清泄肝火
②清熱散結

主な漢方薬

夏枯草散(かごそうさん)
夏枯草膏(かごそうこう)

特徴

ウツボグサは日本各地の日当たりのよい草地に自生しています。「ウツボ」といえば顔の怖い魚を連想しやすいですが、名前の由来とは関係ありません。花穂につく小花の形が、武士が弓矢を入れて背中に背負っていた靫(うつぼ)という道具に似ているためこの名がつけられたと言われています。生薬名の夏枯草の由来は、夏に花が終わると色が褐色に変わって、一見枯れたように見えることからつけられた名前です。

主成分としてトリテルペンのウルソール酸を含み、その配糖体プルネリン、多量の塩化カリウム(無機塩類)、タンニンなどを含んでいます。

熱を冷まして目の充血や痛みなど眼科疾患を治す清熱明目薬(せいねつめいもくやく)に分類され、同じような効能を持つ生薬に決明子(けつめいし)、密蒙花(みつもうか)、木賊(もくぞく)、熊胆(ゆうたん)があります。

肝火上炎(かんかじょうえん:精神的ストレスに熱が加わった状態)による眼の充血や疼痛・頭痛・めまい・イライラに菊花(きくか)黄芩(おうごん)と一緒に用いられます。代表的な漢方薬は夏枯草散(かごそうさん)で、夜間に悪化する眼病によいと言われています。

止血作用・治癒促進作用があるとされ、古くから外用薬としても使われていました。瘰癧(るいれき:リンパ節結核)や癭瘤(えいりゅう:甲状腺腫)などに用いられ、代表的な軟膏に夏枯草膏(かごそうこう)があります。

民間では口内炎や扁桃腺炎に対して、夏枯草を煎じたものを数回うがいすることで痛みを緩和していました。また、多量の塩化カリウムによる利尿作用があることから、腎炎や膀胱炎にも利用されていました。

薬用の他に、薬草茶としても使われており、中国では暑気払いに飲まれています。若葉は食用にもなり、天ぷらやおひたしにできます。

ウツボグサの近縁種であるセイヨウウツボグサは、ヨーロッパでは自然治療を意味する「セルフヒール」という名前で知られており、ハーブとして親しまれています。